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【取材ノート:神戸】黒星発進のロティーナ監督体制。それでも見えた“復調”の兆し

2022年4月14日(木)
三浦淳寛監督の解任からリュイス プラナグマ暫定監督を経て、4月8日にロティーナ新監督の就任が発表された。その2日後にはロティーナ監督の初陣を戦うなど目まぐるしく状況が変わる中で、ヴィッセル神戸に復調の兆しは見えただろうか。4月の明治安田生命J1リーグ3試合を振り返りながら収穫と課題を考えていきたい。

4月の3試合のうち、第6節の京都サンガF.C.戦と第7節のFC東京戦はリュイス暫定監督が指揮を執った。フォーメーションを4-4-2から4-2-3-1へ変更し、両ワイドからの崩しをより強調した。その甲斐もあって、京都戦では左ワイドのボージャン クルキッチがドリブルで仕掛け、最終的には右ワイドの初瀬亮が先制点を挙げている。FC東京戦も大迫勇也と汰木康也で左サイドを崩し、その流れから山口蛍がゴールを決めた。攻撃に厚みが増した点は収穫だったと言える。

守備面では、三浦体制で課題だったセットプレーの失点が無くなり、守備の陣形もコンパクトに整理されていた。一方で、新たにカウンターからの失点という課題が生まれた。両試合ともスコア1-3で逆転負けした神戸は、計6失点全てをカウンターからやられている。

そんな課題を残したまま、ロティーナ体制へと移行した。初陣は就任3日目の第8節セレッソ大阪戦。監督にとっては古巣戦となる特別な試合だったが、残念ながら0-1で敗れた。とはいえ、準備期間が2日と短い中でわずか1失点は今後につながる結果と見ていい。しかも、この2日は攻撃面のテコ入れが中心だったことを考えると、守備面の伸びしろもたっぷりとある。もともと守備戦術に定評があるロティーナ監督ならなおさらだ。

試合後、ロティーナ監督は「今日の試合が自分たちを改善していくための有益な材料になる」と話している。そして、この初陣の後に続くAFCチャンピオンズリーグ(ACL)での15日間を「今シーズンで最も重要な期間」としている。「チーム全体のゾーンディフェンス」を好むロティーナ監督が、ACLを経て神戸をどう再生させるのか。初陣で見せた“復調の兆し”がタイの15日間で昇華することを期待してやまない。

Reported by 白井邦彦