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【取材ノート:新潟】ボールを動かすチームの中心で高宇洋が見つめるもの

2022年6月6日(月)
現在、星雄次とボランチのコンビを組む高宇洋は、少し下がり目の関係性でバランスを取りつつ、攻守で大いに存在感を発揮している。運動量があり、攻撃でアクセント以上の決定的な仕事ができる星を前に押し出す形で、自身は後方からのビルドアップ、そして守備に注力する。

なんといっても抜群のボールを奪取し、回収する力だ。明治安田J2第20節の徳島ヴォルティス戦でも、「球際に関しては、ボールを拾うところでうまく自分の良さは出せたと思う」と、納得の表情。19分にPKで先制され、4試合ぶりに失点したが、チームはそこから反撃に出て前半終了間際に同点とする。さらに勝ち越しを目指すチームにおいて、攻守で見せる獅子奮迅のプレーは、やはり圧倒的だった。

結局1-1のドローに終わり、連勝は3でストップ。手応えがあったからこそ、悔しさも募る。そして、それをモチベーションに昇華する。


「試合全体を通して徳島はファウルが多く、もう少しカードを出してコントロールしてほしかったというのはあります。でも矢印をそこにではなく、自分たちに向けて取り組んでいかないと。引っ繰り返せるゲームだったし、アウェイからも勝点3をしっかり持って帰れるよう、チームとして強くならないといけないと感じました」

決して強がりではない。リーグで最も少ない失点を誇る徳島は、守備になるとブロックを組み、新潟が攻め込む瞬間を狙ってきた。球際に寄せる強度は高く、しかも一人一人が確かな技術を兼ね備えてもいた。

それでもボールを動かし、ゴールにつなげたことを、ポジティブにとらえる。

「前半の途中からはしっかりボールが動かせたし、プレーの質が高ければ一つ一つ、徳島の守備をはがすことができました。得点シーンに関しても、相手を真ん中に集めておいて、しっかり外を使うことができた」

ボランチとしてボールを動かしたい新潟の、まさに心臓部を司る。それだけに、相手からのマークはひときわ強くなる。それでもスタイルを貫き、ゴールを目指す意欲はまるで弱まらない。

「徳島は、アンカー的になる僕のところにプレッシャーを掛け、消しに来ていました。中盤にセットした状態で、サイドバックからボールが入ってきたとき、一気にガッと寄せてくる感じだった。だから、どの相手を釣り出し、どこにパスを付けていくかが重要でした。僕自身は動き過ぎず、星選手や伊藤(涼太郎)選手に一つラインを越える飛ばしたボールを出すことを意識しました」

ボールを動かすことでブロックを組む相手を動かし、機を見てライン間にボールを差し込む。パスを受けた彼らが前を向ければそこから攻撃を展開すればいいし、難しければ下げてもらう。そのためのサポートも怠らない。大事なことは、恐れず、冷静に、自信を持って攻め崩すことだ。

「ボールが一つ高いラインに入ったとき、僕やセンターバック、サイドバックを含めて、もっともっとつながりを持ちながらサポートして、相手の守備をはがしていければ。徳島戦は、最初は自分たちのミスが多かったし、後半は少し停滞感もありました。それでも途中からプレッシャーには感じなかったし、味方同士の距離が良ければ、ワンタッチ、ツータッチではがせていけた。その質を、さらに上げていきたいです」

リーグで守備の強度と練度が最も高い徳島を相手に得た手応えが、新潟の攻撃サッカーをさらに進化させていく。

Reported by 大中祐二