明治安田J2リーグ第27節でベガルタ仙台に0-1で敗れたジェフユナイテッド千葉。第27節の他のチームの試合結果によって2位のまま第28節を迎えたが、第28節の結果次第ではJ1自動昇格圏内の2位から転落する可能性もあった。
どの試合も重要であることは間違いないが、J2リーグが終盤戦に入り、1試合の結果で得る勝点が順位を大きく変えることもある。そんな状況下で、第28節の千葉は試合開始後の早い時間から連続でヴァンフォーレ甲府に決定機を作られ、17分に先制点を奪われてしまう。ピンチとなった千葉に、最終的に勝利をもたらすゴールを奪ったのは、今年の7月にモンテディオ山形から完全移籍で加入したイサカ ゼインだった。
前半の千葉は攻撃時に個のミスや連係ミスでボールを失い、甲府の鳥海芳樹や田中雄大などのドリブルの仕掛けの対応にてこずる場面が目立った。サイド攻撃を仕掛けてもクロスがうまく味方に合わない場面が少なくなかったが、25分、椿直起が左サイドの奥深くで粘り強く仕掛けてパス。これを受けたカルリーニョス ジュニオがシュートを決め、千葉が同点に追いついた。その後は攻撃の回数では仙台のほうが多かったものの、両チームとも追加点を奪えず、1-1の同点で前半を終えた。
どちらが先に追加点を奪うか注目の後半、開始早々の48分にゴールを奪ったのがイサカ ゼインだった。田口泰士、エドゥアルドがパスをつないで左サイドに展開。さらに椿、カルリーニョス ジュニオがパスをつなぎ、左サイドに出た田口のクロスは甲府の選手にクリアされたが、こぼれ球を拾ったカルリーニョス ジュニオがイサカ ゼインにパス。左足でのダイレクトシュートはゴールポストに当たるも、跳ね返ってきたボールを拾い今度は右足でシュートを打って決め、千葉加入後初得点をマークした。
「早く点を取りたいという気持ちがあったし、フクアリで点が取れて良かったです。もっと綺麗にシュートを決めたかったですけど、後半、あっち(千葉側のゴール裏スタンド)に向かって攻めるのはやっぱり勇気をもらいます(千葉サポーターが作る)このフクアリの雰囲気というのはなかなかないと思うので。次の試合からはアウェイゲームが続きますけど、2試合勝ってフクアリに帰ってきたいと思います」
これまでの試合でも決定機がありながら得点できずにいたが、ようやく取れた自分の得点についてはこんなふうに分析した。
「ゴールは狙いとしてあった部分もありますし、あとはやり続けていることが出ていると思います。クロスへの入り方、クロスを上げた場面でのチームとしての攻撃の厚みというところは意識しました。その回数を増やしたからゴールにつながったと思います。そういったものを継続して、もうちょっと精度を上げて、バリエーションも増やしていけば、さらに1つ、2つゴールも取れると思います。個人としてもチームとしても、このあとの(J2リーグの)中断期間に高めていきたいと思います」
前半は甲府に主導権を握られたものの、後半は早い時間の逆転ゴールもあって千葉が流れをつかんだのだが、実際にはどのような修正や改善を図ったのだろうか。
「前半が終わってから試合の映像を含めて相手の分析もして、より前にというのを意識しました。その改善もちょっと功を奏して後半に勢いを増せた部分はあるので、そういったところを前半の飲水タイムとか早い時間で修正できるように、そして前半に失点しないでいけるようにとか、チームとして2点以上取れるようにとか、修正力を出せるようにすることが大事だと思います」
得点後にはピッチで喜びを爆発させていたイサカ ゼインだが、試合終了から時間が経っていたとはいえ、取材エリアで話している時は加入後に初得点した選手にしては実に冷静だった。その背景には初得点のあとにあった決定機を決めきれなかった悔しさがあった。57分、鳥海晃司のロングパスを甲府のディフェンスラインの背後のスペースに飛び出して受けたイサカ ゼインは、甲府のGKの河田晃兵と1対1の決定機を迎えた。しかし、イサカ ゼインのシュートは河田にセーブされ、こぼれ球を拾った森海渡のシュートはゴールマウスを捉えられなかった。
「あそこで外してしまったので、次の試合も点を取って固め取りできるようにしたいなと思っています。(千葉での出場)5試合目で点が取れたんですけど、もっと取りたいという思いはありますし、その意味でもやっぱり次の試合が一番大事だと思います。まだ複数得点ができていないので、今日、もっと点を取りたかったですけど、今日のその悔しさも次の試合に生かしたいです」
横浜FCや山形に在籍していた時、千葉に脅威を与え、千葉からゴールを奪っていたイサカ ゼイン。対応に手を焼いていた『敵』は、今や頼もしい『味方』となった。目標の複数得点を第29節で達成できるか。攻撃だけでなく、千葉の守備戦術も早く理解してチームに溶け込んだイサカ ゼインは、千葉の悲願であるJ1昇格へ大きな力を与えている。
Reported by 赤沼圭子
どの試合も重要であることは間違いないが、J2リーグが終盤戦に入り、1試合の結果で得る勝点が順位を大きく変えることもある。そんな状況下で、第28節の千葉は試合開始後の早い時間から連続でヴァンフォーレ甲府に決定機を作られ、17分に先制点を奪われてしまう。ピンチとなった千葉に、最終的に勝利をもたらすゴールを奪ったのは、今年の7月にモンテディオ山形から完全移籍で加入したイサカ ゼインだった。
前半の千葉は攻撃時に個のミスや連係ミスでボールを失い、甲府の鳥海芳樹や田中雄大などのドリブルの仕掛けの対応にてこずる場面が目立った。サイド攻撃を仕掛けてもクロスがうまく味方に合わない場面が少なくなかったが、25分、椿直起が左サイドの奥深くで粘り強く仕掛けてパス。これを受けたカルリーニョス ジュニオがシュートを決め、千葉が同点に追いついた。その後は攻撃の回数では仙台のほうが多かったものの、両チームとも追加点を奪えず、1-1の同点で前半を終えた。
どちらが先に追加点を奪うか注目の後半、開始早々の48分にゴールを奪ったのがイサカ ゼインだった。田口泰士、エドゥアルドがパスをつないで左サイドに展開。さらに椿、カルリーニョス ジュニオがパスをつなぎ、左サイドに出た田口のクロスは甲府の選手にクリアされたが、こぼれ球を拾ったカルリーニョス ジュニオがイサカ ゼインにパス。左足でのダイレクトシュートはゴールポストに当たるも、跳ね返ってきたボールを拾い今度は右足でシュートを打って決め、千葉加入後初得点をマークした。
「早く点を取りたいという気持ちがあったし、フクアリで点が取れて良かったです。もっと綺麗にシュートを決めたかったですけど、後半、あっち(千葉側のゴール裏スタンド)に向かって攻めるのはやっぱり勇気をもらいます(千葉サポーターが作る)このフクアリの雰囲気というのはなかなかないと思うので。次の試合からはアウェイゲームが続きますけど、2試合勝ってフクアリに帰ってきたいと思います」
これまでの試合でも決定機がありながら得点できずにいたが、ようやく取れた自分の得点についてはこんなふうに分析した。
「ゴールは狙いとしてあった部分もありますし、あとはやり続けていることが出ていると思います。クロスへの入り方、クロスを上げた場面でのチームとしての攻撃の厚みというところは意識しました。その回数を増やしたからゴールにつながったと思います。そういったものを継続して、もうちょっと精度を上げて、バリエーションも増やしていけば、さらに1つ、2つゴールも取れると思います。個人としてもチームとしても、このあとの(J2リーグの)中断期間に高めていきたいと思います」
前半は甲府に主導権を握られたものの、後半は早い時間の逆転ゴールもあって千葉が流れをつかんだのだが、実際にはどのような修正や改善を図ったのだろうか。
「前半が終わってから試合の映像を含めて相手の分析もして、より前にというのを意識しました。その改善もちょっと功を奏して後半に勢いを増せた部分はあるので、そういったところを前半の飲水タイムとか早い時間で修正できるように、そして前半に失点しないでいけるようにとか、チームとして2点以上取れるようにとか、修正力を出せるようにすることが大事だと思います」
得点後にはピッチで喜びを爆発させていたイサカ ゼインだが、試合終了から時間が経っていたとはいえ、取材エリアで話している時は加入後に初得点した選手にしては実に冷静だった。その背景には初得点のあとにあった決定機を決めきれなかった悔しさがあった。57分、鳥海晃司のロングパスを甲府のディフェンスラインの背後のスペースに飛び出して受けたイサカ ゼインは、甲府のGKの河田晃兵と1対1の決定機を迎えた。しかし、イサカ ゼインのシュートは河田にセーブされ、こぼれ球を拾った森海渡のシュートはゴールマウスを捉えられなかった。
「あそこで外してしまったので、次の試合も点を取って固め取りできるようにしたいなと思っています。(千葉での出場)5試合目で点が取れたんですけど、もっと取りたいという思いはありますし、その意味でもやっぱり次の試合が一番大事だと思います。まだ複数得点ができていないので、今日、もっと点を取りたかったですけど、今日のその悔しさも次の試合に生かしたいです」
横浜FCや山形に在籍していた時、千葉に脅威を与え、千葉からゴールを奪っていたイサカ ゼイン。対応に手を焼いていた『敵』は、今や頼もしい『味方』となった。目標の複数得点を第29節で達成できるか。攻撃だけでなく、千葉の守備戦術も早く理解してチームに溶け込んだイサカ ゼインは、千葉の悲願であるJ1昇格へ大きな力を与えている。
Reported by 赤沼圭子