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【取材ノート:名古屋】名古屋グランパス四季折々:待望のフィニッシャー誕生なるか。新加入FWレオナルドの合流が待ち遠しい

2022年7月5日(火)


徐々に活気が増してきた夏の移籍市場において、名古屋グランパスもまた補強の一手を打ってきた。7月1日に発表されたブラジル人ストライカー・レオナルドの加入はFW不足の戦力状況にも、得点源の確保にも合致するピンポイントな補強で、ネットを探せば出てくる豪快なプレーの数々に心を躍らせるサポーターもさぞ多かろうと想像する。長谷川健太監督はプレーしていたリーグのレベルや実際に見てみないと、という観点から手放しでの称賛を控えていたが、とにかくFWの得点が足りないチームにFWが加わるだけでも、期待しない理由がない。

かつてG大阪などに所属したアデミウソンや、現鹿島のピトゥカなどに日本の良さを説かれたレオナルドは、今年5月に所属していたチームが突如解散し、フリーの状態で獲得された。184cm、85㎏の巨漢ながら、指揮官が前提とした「献身性や、しっかりと前線で動ける選手であること」という条件をクリアし、自らも「エリア内だけに留まるセンターFWではなく、組織がしっかりと働くための自分が下がる動きや、相手ボールに対してのディフェンスも持ち味の一つ」と機動力を売りにする。過去の映像を見ればゴール後にバク宙を決めたりと身体能力は高そうで、ボールキープもフリーランもどちらも苦にしないのは名古屋のスタイルにも合いそうだ。

たっぷりと髭をたくわえた風貌はワイルドで一見コワモテ。しかし山口素弘GMに「近くで見ると非常に優しい、良い顔をしています」と言われた時に見せた笑顔はチャーミングですらある。移籍の状況からしてサッカーに飢えており、オファー直前には赤いユニフォームを着る夢を見たというからなかなかに運命的。来日して渡されたユニフォームを凝視して、穴が空くほど見つめ続けていた、とのエピソードが山口GMから披露されると、何とも言えない柔和な表情でうなずいていたのも印象的だった。ぜひ救世主に、と言われて「自分は救世主ではない。全体が“救世主”です。ファミリー、サポーターもそうですし、チームのすべての人間が“救世主”の一部で、自分はいち選手として尽くすだけ」という謙虚さは、名古屋の歴代の外国籍選手に通ずる人の良さを感じさせて、今後のコミュニケーションも楽しみに思った。


登録の関係上、公式戦出場は7月16日のホーム川崎F戦が最速となる。聞けば本人のフィジカルコンディションは良好とのことで、長谷川監督も「バランスの良い身体つきをしているし、けっこう締まっている。体脂肪率も低いし、けっこう仕上がっている感じもある」と状態の良さを認めていた。今週からは徐々に全体練習に合流させていく予定で、約2週間の準備期間を経て、川崎F戦では「チャンスがあれば」というのが現状のようだ。連係面などを考えれば突貫工事には違いないが、ある程度はぶっつけでもやれてしまうのがFWというポジションの特性でもある。ましてやフィニッシャーを欲していたチームだけに、これまで“不発”に終えていたチャンスメイクの何割かがレオナルドに供給されるだけで、名古屋の攻撃は一変する可能性もある。

「ハイライトなどで試合を数試合見て思ったのが、チャンスを作る機会がかなり多いこと。自分のポジション柄、『これなら決められるな』というシーンがいくつもあった」とレオナルドは言った。まずはとにかくコンディションに配慮し、しっかりと仕上げて16日を迎えてくれることを願いつつ、背番号29の“合流”を心待ちにしたい。愛称“ナウド”が仕上げ役に収まってくれれば、それはそのまま名古屋の本格的な反撃の合図となる。

Reported by 今井雄一朗