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【取材ノート:新潟】圧倒的な走力で星雄次はトランジションの局面を支配する

2022年8月25日(木)
抜群の運動量を、チームの勝利のために苦も無く捧げることができるボランチ。それがMF星雄次だ。ゲームの局面が攻撃から守備へ、守備から攻撃へ切り替わる瞬間、圧倒的な存在感を露わにする。

先発でも途中出場でも、その個性は変わらない。試合展開、流れを読む優れた戦術眼を持ち合わせている証だ。

それゆえ、2試合ぶりに先発した明治安田生命J2リーグ第32節・ロアッソ熊本戦での自身のプレーを反省する。

「攻撃のとき、もう少し僕とヤン(高宇洋)のボランチのところで、前との距離感、ポジショニングを良くプレーしたかったです。ミーティングで言われたことばかりになるのではなく、ピッチの中で感じ取って臨機応変にやれるようになれれば」


試合は、熊本に攻守ともアグレッシブな戦いを挑まれた。特にアンカーのMF河原創をフリーにすると決定的な仕事をされるため、警戒を緩めるわけにはいかなかった。ボランチが思うように攻撃に絡めなかった遠因だ。

その分、守備で自分がプレッシャーを掛けるのはもちろん、味方が寄せた後の“二の矢”としてボールを奪いに行く走りが際立った。熊本戦では、右サイドハーフは大卒ルーキーのMFシマブク カズヨシ、左サイドハーフはプロ2年目で20歳になったばかりのMF小見洋太と若手が先発。奮闘する彼らを支える役回りも、この試合の重要なポイントだった。

「2人とも、本当によくがんばって守備に行っていました。だからこそ、その後のところで僕らがしっかり(ボールを)回収しないといけない。ただ、攻撃でもうまくサポートして、もっと2人の特徴を引き出してあげられればよかったのですが」

シマブクが、小見が、懸命に二度追い、三度追いしながらも振り切られてしまう。するとその背後から飛び出してきて、猛然と相手ボールホルダーをつぶしにいく星の姿を、何度も見ることができた。

試合は最後まで激しい攻防が続いた。18分、相手陣内でボールを奪うと、ボランチでコンビを組む高が起点となり、最後は小見が決めて先制に成功。失点を許さず、アルビレックス新潟が1-0で勝利した。

「今までのゲームに比べると相手にボールを持たれましたが、その分、奪ってチャンスをたくさん作ることができました。ハイプレスは僕たちの強みでもあるので、そこを発揮できたのはよかった。でもボールを持ったときのクオリティー、判断をさらに上げて、より精度の高い攻撃ができるようなりたいですね」

攻守とも、“チームのもっと先”を追い求める。そしてその姿勢を、自分自身にも当てはめる。熊本戦では走る力が十分、残っていたが、62分に戦術的な理由で途中交代となった。

「もう少しやりたかったし、やらなきゃいけない。チームのために、もっと何かできたんじゃないかという反省があります。まだまだ自分の成長を求めていきます」

今シーズン、残り10試合。J1昇格に向かって全速力で突き進む。

Reported by 大中祐二