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【取材ノート:神戸】0-2の横浜FC戦から3日後。“休み明け”練習にも危機感が漂う

2023年8月10日(木)
8月9日、いぶきの森球技場は真夏の強い日差しが照り付け、台風の影響による強い風が吹いていた。この日のメディア公開練習はチームミーティングの後、9時45分頃から始まった。ウォーミングアップからロンド、ボール回し、制限付きのミニゲームといった“休み明け”恒例のメニューで進んでいく。練習の前半は、武藤嘉紀が大声で笑い、大迫勇也や汰木康也、山口蛍らにも笑顔が見られるなど和やかなムードだった。だが、実践的な要素が濃くなるに連れて、選手たちの顔から笑みが消えていく。当たり前と言えばそれまでだが、いつもの“休み明け”とは少し異なる雰囲気が感じられた。前節の横浜FC戦に敗れたことが関係しているのかもしれない。

横浜FCとはルヴァンカップを含めて今シーズン4度目の対戦だった。お互いの手の内を理解した中での一戦だったが、ヴィッセル神戸にとっては少し想定外の部分もあった。横浜FCがこれまで以上に引いて守ってきたのである。得意のカウンター攻撃をうまく発動できない中、23分には古巣戦の井上潮音に先制点を許してしまう。早く同点に追いつきたい神戸は、28分に武藤がドリブルから低弾道の鋭いシュートを放つが相手GKの好セーブに阻まれる。40分には佐々木大樹のクロスを大迫勇也が頭で合わせたがボールは惜しくもバーに弾かれてしまう。0-1で折り返した後半の65分にはカウンターから山下諒也に追加点を許し、最終的に神戸は1点を奪うことができず0-2で敗れた。試合後、神戸のファン・サポーターからブーイングが起こった。


今シーズン、リーグ戦では1度も連敗はしていない。引き分けの後もしっかり勝点3を拾ってきた。だが、今回の横浜FC戦は川崎フロンターレに引き分けた直後の敗戦である。首位から陥落したわけではなかったが、初のJ1制覇への危機感を募らせたのかもしれない。

この日の公開練習後、囲み取材に応じた佐々木大樹は横浜FC戦のブーイングについて聞かれ、「(神戸への)基準が高まっているのかなと感じます。個人的には良いことだと思います」と答えた。

もちろん、ブーイングされたからではないが、この日の公開練習はいつもの“休み明け”とは違う緊張感が感じられた。ファン・サポーター以上に、選手やスタッフには危機感がある証拠かもしれない。

Reported by 白井邦彦