Js LINK - Japan Sports LINK

Js LINKニュース

【取材ノート:神戸】上位との対戦が続く9月の3節。新戦力の“感触”が気になるところ

2023年9月14日(木)


ヴィッセル神戸は今週末の広島戦からC大阪戦、横浜FM戦といった上位争いを控えている。そして10月には国立競技場でのホーム鹿島戦、J1残留争いの渦中にいる湘南戦と続き、11月には再び浦和や名古屋との上位争いが待っている。そして最終節は12月3日のアウェイG大阪戦。残り8節はどれも難しい戦いだが、特に9月の3節は吉田孝行監督が「正念場」と話す通り、V戦線の明暗を分ける重要な連戦になりそうだ。

正念場のカギを握りそうなのが、9月初旬に加入したフアン マタとバーリント ヴェーチェイだ。



マタは元神戸のアンドレス イニエスタやダビド ビジャらと共に母国スペイン代表をワールドカップ王者へと導いたメンバーの一人。イングランド・プレミアリーグのチェルシーFCやマンチェスター・ユナイテッドFCなどでも強烈な印象を残してきたスター選手で、いまさら多くを説明する必要はないだろう。9月9日に行われたファンクラブ会員向け公開練習では[4-2-3-1]のトップ下、もしくは[4-1-2-3]の左インサイドハーフでプレーし、大迫勇也らとも積極的にコミュニケーションを取りながら調整を繰り返していた。コンディションが向上すれば、シーズン終盤の大きな戦力になるのは間違いない。

むしろ気になるのはヴェーチェイの方だろう。年代別ハンガリー代表を経て、2014年からA代表に呼ばれているMFは国際Aマッチ12試合出場で2得点という戦績を残している。クラブチームでは母国のハンガリーリーグやスイスのスーパーリーグで実績を積み上げている。マタと比較するとやや見劣りしてしまうが、豊かな経験値を持つ選手と言えるだろう。



30歳のボランチは自身のストロングポイントを「戦術理解力」と話している。加えて、185cm・80kgという恵まれた体格が魅力で、丸太のような太い腕はいかにも屈強である。9月9日の公開練習ではダブルボランチの一角やアンカーなどでプレーし、ジェアン パトリッキへの絶妙なフィードなど随所に好プレーを見せていた。

ヴェーチェイは「大怪我をした選手(齊藤未月)の穴埋めで神戸にきた」と話しているが、うまくチーム戦術にハマれば齊藤の穴埋めではなく、大きな戦力になる可能性もある。まずはチームに馴染むこと、コンディションを上げることが先決だが、非常に楽しみな存在と言っていいだろう。

9月の3試合は、もちろん勝敗が最大の注目ポイントだが、その先の鹿島戦や浦和戦、名古屋戦などを見据えると、新戦力の“感触”も大きな注目ポイントになりそうだ。

Reported by 白井邦彦