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【取材ノート:長野】勝負の10月。ホーム3試合+ダービー、全勝で逆転昇格へ

2023年10月5日(木)


明治安田生命J3リーグで14位につけるAC長野パルセイロ。残り9試合で昇格圏内との勝点差は11開いている。数字上で言えば、逆転昇格は極めて厳しい状況だ。それでも10月は大きなアドバンテージがある。4試合中、実に3試合がホームゲームなのだ。


前節はアウェイで琉球に2-2と引き分けた。南国の暑さと、琉球の巧さ。その2つに苦しみ、前半からプレッシングの連動性を欠く。押し込まれながらも無失点で折り返すと、後半に音泉翔眞の今季初得点で先制。一度は追いつかれたが、三田尚希のゴールで勝ち越す。終盤は琉球の猛攻を耐え凌ぐ中、土壇場の90 +4分に失点。あと一歩、いや半歩及ばなかった。

惜しくも19試合ぶりの連勝とはならず、昇格圏内との勝点差は9から11に開いた。「残り試合数(9)=逆転可能な勝点差(11)」という通説に従うならば、逆転昇格はもはや現実的ではない。しかし冒頭に述べたように、10 月はホームゲームが3試合ある。さらに残りの1試合は、アウェイでの松本山雅FCとの信州ダービーだ。

前節、目の前で最後の失点を決められた杉井颯は「10月がすべてだと思う。ここで全勝しないと話にならない」と闘志を燃やす。守護神の金珉浩も「(1カ月間)長野県で全部試合をやることは、ほぼないと思う。これはチャンスだし、全勝したい」と続けた。

今季のホームゲームは5勝2分7敗と負け越しているが、髙木理己監督の途中就任後は1勝1分。それも首位の愛媛に引き分け、2位の富山を下している。イメージは悪くないはずだ。

そして今節を終えると、今季3度目の信州ダービーが待ち構える。5月には敵地(中立扱い)での天皇杯県予選決勝と、ホームでのリーグ戦で2連勝を飾った。松本の本拠地であるサンプロ アルウィンでは、天皇杯県予選準決勝も含めて2勝。こちらも悪いイメージはない。

一時は独走体勢に入った首位・愛媛が、ここにきて2連敗を喫している。それを追いかける2位も、入れ替わりが激しい。今季の魔境・J3は何が起こるか分からない。長野としては10月を4連勝で終えれば、一気に昇格争いへ名乗りを上げる可能性もある。まずは今節、前回対戦で0-4と大敗したヴァンラーレ八戸に雪辱を果たし、反撃の狼煙を上げる。

Reported by 田中紘夢