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【取材ノート:琉球】確かな手応えを得た高安孝幸は前を向く

2023年12月22日(金)


4年過ごした金沢を離れ、今季から琉球でプレーした高安孝幸。琉球のU-12出身である彼が地元で過ごした1年は30試合に出場。第4節の福島戦で初先発を飾って以降、左右どちらでも稼働できるサイドバックとしてレギュラーを担った。果敢にオーバーラップを仕掛けるのはもちろん、偽サイドバックとしてインサイドでボールに関わるプレーも得意とし、おとりになる動きも鮮明。一方で守備面に課題があるとも言われていたがプレスバックも果敢で、スプリント力が問われる二度追いでプレスをかけて相手の推進力を奪う動きもこなした。先発25試合の出場はプロ5年目のキャリアで最多。第16節・讃岐戦で待望のJ初ゴールを決めるなど存在を主張し、躍進を遂げた一人である。

「若手がチームを引っ張っていくという気持ちを持っていないとチームは強くならない」と心に留める22歳の高安。それは「今年リュウさん(野田隆之介)がキャプテンとして引っ張ってくれていて、ただ自分も含めてそこに頼り切りになってしまったなという感もあります。プレーする選手みんながキャプテンシーを発揮するような声出しから、コミュニケーションももっと育めれば一層強くなる」という感触を掴んだからだろう。経験値豊かな選手が揃う一方、年齢的に遠慮して然るべき若手選手も多かった今年の琉球。覚えた違和感を拭って、積極的に先陣を切る雰囲気が全体で生まれればジャンプアップにつながると信ずる。

「今年試合に出られて経験を積めたことはプラスだし、これで満足していたらいけないなと考えることもできた一年でした。特にサイドバックはハードワークやテクニック、スピードを高めなければいけない大事なポジション。90分かけて常に戦える体作りであったり、やるべきことがハッキリしているなかで来シーズンを迎えられればと思っています」(高安)。

幼き頃から琉球のDNAに触れてきた高安。プレー像を顕示しチームを牽引する姿が見られたとき、彼はチームのシンボルとなっているかもしれない。

Reported by 仲本兼進