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【取材ノート:神戸】1.10のチーム始動から1.17まで。ヴィッセル2024の1週間まとめ。

2024年1月18日(木)


J1リーグ連覇とアジア初制覇をめざすヴィッセル神戸の今シーズンが2024年1月10日に始まった。12日には齊藤未月の完全移籍加入が発表され、16日には「2024新加入選手&ユニホーム発表会見」、そして翌17日にはクラブとして29回目の「1.17」を迎えた。
ほぼ沈黙状態だった昨年末から一気に物事が動いた新年の1週間。沖縄キャンプ前に一度、トピックスをおさらいしておきたい。

1月10日、始動日。小雨が降る中、メディア公開練習が行われた。外国籍選手は未合流だったが、日本人選手は元気な姿を見せた。



取材陣の注目を集めたのはセルティックから完全移籍加入の井手口陽介。神戸加入を決断した理由について「対戦して強かったですし、Jリーグも優勝して…。お話をもらった時はすごく光栄でした。もちろん、迷いましたけれど、選手としてより成長できるかなと思って決断しました」と話した。
初日に感じたチームの印象は「話す人と話さない人がもっと分かれているのかなと思っていたけれど、みんなが話すので自分も入りやすかった」という。



1月16日にはその井手口も参加した新加入選手&ユニフォーム発表会見がノエビアスタジアム神戸で行われた。アカデミーから昇格のDF本間ジャスティンはアジアカップに挑む日本代表のトレーニングパートナーとしてチーム帯同中のため欠席。それ以外の新加入選手(井手口陽介、宮代大聖、新井章太、広瀬陸斗、鍬先祐弥、山内翔、髙山汐生、オビ パウエル オビンナ、岩波拓也)が登壇した。



吉田孝行監督は会見で「すばらしい選手たちも加入してくれました。より高いレベルで競争し、お互いを高めあって1年間やっていけたらと思います」と話した。その言葉通り、各ポジションにレギュラークラスを2人以上も抱える魅力的な編成が整った。
中でもポジション争いの激戦区になりそうなのがセンターバック。昨季は菊池流帆の離脱などもあって選手起用に頭を悩ませたポジションだが、今季は一変して過多気味に。今季から背番号「4」を背負う山川哲史、リーグ制覇に大きく貢献した本多勇喜、卓越したカバーリングを見せるマテウス トゥーレル、ケガから復帰の菊池流帆、FC琉球からレンタルバックの寺阪尚悟、そして神戸に戻ってきた岩波拓也と6人が2枠を争う。



それもあって今回の会見で注目を集めたのは、やはり岩波だ。「神戸を離れて6年。神戸の試合は可能な限り見てきました。自分の中でさまざまな想いはありますが、もう1度この神戸で自分の存在価値を示したいなと思い、ヴィッセルを選択しました」
ぶら下がりの囲み取材では「覚悟を決めて戻ってきた」と力強く話した岩波。精度の高いフィード力を武器に厳しいポジション争いを勝ち抜けるか注目したい。



翌17日の練習前には阪神淡路大震災で犠牲になられた方々へ黙祷を捧げた。震災から29年。被災経験者が徐々に減少していく中で、ヴィッセル神戸は震災の語部としての役割も期待されている。
吉田監督は「(クラブ始動日に震災が起こった)ヴィッセルは震災とは切っても切れない関係。先輩たちが復興のシンボルとして頑張ってきてくれた。チームには震災を知らない世代も増えてきたが、そういう想いを忘れずにプレーしてもらいたい」と話した。

チームは19日から沖縄キャンプに突入し、より実践的なトレーニングへと向かう。

Reported by 白井邦彦