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【取材ノート:琉球】覚醒の予感。石井快征が醸す片鱗

2024年2月7日(水)


横浜FCから琉球に完全移籍で加入したFW石井快征が1月27日、沖縄県うるま市でキャンプを張った町田とのトレーニングマッチ(琉球1−2町田)に出場。1ゴールをあげ存在感を放った。

30分×3本形式の2試合目に登場した石井はインサイドハーフに立ち、果敢に相手の背後を狙う。そしてサイドからのワンツーパスで相手マークを剥がして再三ゴール前へ進入を図った。ゴールシーンは、味方のパスをスルーして3人目の動きを促した石井の判断が冴え、ボールが左サイドへ流れたのを確認した彼はボックス内へ進入。「来るだろうと思っていた」と、グラウンダーのクロスをニアで合わせた石井が冷静にネットを揺さぶった。
「前でプレーしている以上ゴールが一番大事だと思うし、久々に(ゴールの)感触を得られて気持ちよかった。これが良い起爆剤になれればいいなと思っています」(石井)。

鳥栖のアカデミー出身の石井は、2種登録で出場した18年のJリーグYBCルヴァンカップ(長崎戦)で初ゴール。トップ昇格を果たした翌年はC大阪戦でJ1初ゴールを決めるなど3ゴールを記録した。しかし、横浜FCへ移籍した一昨年の10月、Jエリートリーグの名古屋戦で左第五中足骨を骨折。治療とリハビリに時間を費やすなど苦闘の日々を過ごし、約1年半在籍した横浜FCでの出場機会は昨年の天皇杯1試合のみだった。

「横浜FCでは何も力添えできず、とても悔しい気持ちでいっぱいでした」と、抱く無念を晴らすべく沖縄の地に降り立った石井は今、始動日から精力的にメニューをこなし全快をアピール。2列目から飛び出し、相手の虚を突く強烈なミドルシュートを放つなど非凡な攻撃センスを披露している。

密集した場面で浮かんだ一瞬のひらめきからゴールまでの設計図を生み出せる彼の姿に、琉球での覚醒の予感を匂わせた。

Reported by 仲本兼進