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【取材ノート:琉球】「次も取れる気がする」。開幕ゴールの幸喜祐心が魅せるアグレッシブさ

2024年2月29日(木)


開幕した明治安田J3リーグ。24日、アウェイで奈良クラブと対戦した琉球は2-1で勝利し、初戦をモノにした。
チーム初得点は前半15分、右WB上原牧人のアーリークロスに対して琉球U-18から昇格したばかりの左WB幸喜祐心がPA内で胸トラップし、ピタリと足元に落としてから左足で豪快にゴールの左上隅を突き刺した。開幕スタメンの座を手にし、なおかつネットを揺らした18歳は、「(クロスボールに対して)相手DFの選手が跳ね返そうと先にジャンプしていたんですが、タイミング的にもしかすると(クリアしきれず)頭を超えるんじゃないかと感じました。そこで無理にヘディングで競り合わず、胸トラップして足で勝負しようと思い立ちました」と、冷静にゴールを振り返った。


本来ボランチやトップ下といった真ん中の位置でのプレーを得意とする幸喜だが、この日は左WBで出場。「ユースの頃もやったことのないポジションだったけれど、試合に出られるならどこででも」というポジティブな気持ちでプレーしていたという。その上で「サイドに立てばどこからでも一瞬で全体を見渡せるし、攻撃のスイッチが入りやすい。何より『どんどん前に行け』と、僕の守備の分までカバーしてくれてた(左CBに入った)藤春(廣輝)さんの声も心強かったです」と、今季からガンバ大阪から加入した藤春の存在も彼が前向きな姿勢を崩さなかった理由のひとつである。

「彼の性格的にも動じないというか鈍感力というか(笑)。ただ、ベースがしっかりしているし、トレーニングマッチのときから適正を探っていくなかで(WBで)やらせてみようかなと考えていた」と金鍾成監督。そしてゴールシーンを振り返り、「与えられたチャンスにしっかりと答えてくれたなと。何より難しいゴールの上隅に決めたこと。それが意識的だろうと無意識的だろうとそういうアクションを起こせたことが彼の技術の証明だし、小寺(一生・U-18監督)も喜んでるでしょうね」と評価した。

沖縄の地で育った原石は、夢にまで見たプロへの世界へ足を踏み入れ、喜びを噛み締めている。「次も(ゴール)取れる気がします」と、手応えを十分に握りしめた18歳は琉球でさらに磨きをかけていく。

Reported by 仲本兼進