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【取材ノート:今治】伊藤元太は捲土重来を期す

2024年3月28日(木)


開幕から4連勝とすばらしいスタートを切ったFC今治だったが、ここにきて2連敗。勢いを取り戻すために3月最後の第7節・FC大阪戦は非常に重要な一戦となる。前節を引きずらず、準備に集中しているのがGK伊藤元太だ。

第6節・ギラヴァンツ北九州戦は、それまでゴールを守ってきたジョン セランテスが左太ももを負傷したため、今季初めての出場となった。22分には北九州のFW高昇辰が距離のあるFKを直接狙ってきたが、雨で濡れたピッチでバウンドしたシュートを、しっかり体の正面で止めた。「事前に遠目からも打ってくるというスカウティングがあったので、落ち着いて対応できた」という通り、良い緊張感を保って試合に入ることができていた。

ところが後半開始早々の48分、何でもないクロスボールの対応で、センターバックの福森直也との呼吸が合わず、“お見合い”する形でゴール前を通過させてしまう。

「僕がOKと言ったのでそのまま出なければならなかったんですけど、福さんがクリアする感じもあって止まってしまった」と見送ったボールをつながれ、失点。試合は0-1で敗れた。


「あれが今の僕の実力です。だから落ち込んではいないし、チームの目標に向かってやるだけ。試合が終わってすぐに福さんとも話し合って問題点は解決できているし、今週のトレーニングでも割り切ってプレーしているので大丈夫です」

次節はロングスローやロングボールを効果的に活用し、パワフルなサッカーを仕掛けてくるFC大阪が相手となる。それだけに、思い切ってプレーすることが欠かせない。それが、より明確に切り替えることにもつながりそうだ。

「FC大阪は、ここまで負けていないことが示している通り、勝負にとてもこだわっているチーム。でも、僕たち今治にも4連勝した意味が絶対にあるはず。相手に負けない熱量で戦います」

来月17日に今治里山スタジアムで開催されるJリーグYBCルヴァンカップ2回戦は、すでにチケット完売。対する相手は古巣のヴィッセル神戸だ。「仲のいい選手もいるし、楽しみです。でも試合に出ないと意味がない」と、気が引き締まるのも当然といえよう。

だが見据えているのは先ではない。「余計なことはあまり考えず、自分のやるべきこと、目の前のボールに集中します」。迷いのない心意気で、今治のゴールを守る。

Reported by 大中祐二