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【取材ノート:大宮】アルディージャの武器、泉柊椰。その成長は勝利のために

2024年4月10日(水)


明治安田J3リーグ第8節、大宮アルディージャ対FC大阪戦で、決勝点となったオウンゴール。泉柊椰のコーナーキックに反応した杉本健勇のニアへの動きが誘ったもので、「俺がいなかったらたぶん入っていない」(杉本)のは間違いない。


もちろん、もう一人の立役者はキッカーの泉である。
「健勇くんと目が合って、狙って蹴っただけです。セットプレーは、僕は入れるだけなんで、決めてくれるみんなのおかげです」
 
そう謙遜するが、長澤徹監督も「相手もジャッジできないような状況に追い込んだボールの質」と、そのキックの精度を称えた。

この日はシステム変更からベンチスタート。70分に投入されると、左ウイングバックにポジションを取った。「(ヴィッセル)神戸の時に右でやったことはあります」(泉)という程度の経験ではあったが、0-0の試合終盤での投入に、やるべきことは理解していた。

「攻撃でやることははっきりしているんですけど、守備で後ろがいないので、ちゃんと帰らないといけないし、その中でも、奪った瞬間は一番後ろから出ていかないといけない。そのスピードやスプリント力は試されたのかなとは思います」

実際、長澤監督から守から攻への切り替えの場面で強く指示されることもあったが、「言われてましたね(笑)。あそこのスプリント力がつけばもっと楽に、前(のポジション)で出た時により武器を出せると思うので、大事なことだと思います」と謙虚に、そして意欲的に受け止めていた。

自身のコーナーキックは、決勝点の事実上のアシストとなったが、得点に絡んだのは第4節奈良クラブ戦以来4試合ぶり。少し間が空いたことを尋ねると、こう返ってきた。



「第1節(ヴァンラーレ八戸戦)以降、自分のプレーには物足りなさを感じていた。ドリブルで仕掛けた瞬間に、中に1人いて縦に1人いて、と2枚で対応されるシーンが割と多くて、その中で、突破の選択肢を増やすのが自分の中で大事だと思っています。サイドバックとの関係性もあると思いますが、ワンツーで入っていったり、中に仕掛けてクロスを上げたり、そういういろんなことがウイングではできるので、その幅を広げるチャンスだと思っています」


大宮でのデビュー戦で2ゴールの大活躍から一転、壁に阻まれ、もがいているが、その機会に感謝すらしている。そこで自らに磨きをかけなければ、上は望めないからだ。

「自分の成長が大宮の勝利に繋がるなら、絶対にやり続けないといけないと思う。このチームの武器だという自覚はあるので、もっと得点に絡めるプレーを出していきたいです」

そのしなやかさと鋭さを持ち合わせた身のこなしから生まれるクロスやシュートは、間違いなく大宮の武器であり、目指す場所への道筋に欠かせないものだ。泉の次のゴールに、期待したい。

Reported by 土地将靖