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【取材ノート:新潟】「あのクロスはみんなのおかげ」本間至恩が感謝する理由

2022年4月18日(月)
3試合連続ゴールとなる谷口海斗の第10節・ファジアーノ岡山戦での12分の先制点は、左サイドを突破した本間至恩のすばらしいクロスによって導かれた。「ボールを保持する自分たちの流れから、いい形で自分のところにボールが運ばれてきた。“ここでサイドハーフが違いを出さなければ点は取れない”と思って上げた」というクロスには、思いと努力が詰まっていた。


3週間ほど前から、全体練習が終わった後に、左足のクロスの練習に取り組んでいる。このところ、なかなかクロスが合わない課題を克服するためだ。

居残り練習には、多くのコーチが協力してくれるという。そして岡山戦で見事に記した、アシストという結果。自然と感謝の言葉があふれ出た。

「達さん(田中達也コーチ)やナミトくん(池澤波空テクニカルコーチ)、他にも本当にたくさんのコーチが、僕が左足で長いボールを蹴ったり、クロスボールを上げたりするのに、とことん付き合ってくれるんです。それこそ、最後に道具をしまうところまで。左足を練習するようになって、早い段階で結果を出せて良かった」。

岡山戦では、自身が現役時代にドリブラーだった田中コーチのアドバイス通りのクロスがアシストにつながった。「(クロスは)感覚で上げました。ただ、達さんにはいつも、『左足なら、ふわりとしたクロスを出せばいい』と言われているので」。それだけで守る方は対応しづらく、滞空時間の長さによって、味方は合わせやすくなる。

試合はその後、ロングボールを的確に前線に入れてくる岡山に押し込まれる展開に。そして29分、オーストラリア代表FWミッチェル デュークに決められて、1-1で引き分けた。

シュート数3本対12本と、試合は今季最も相手ペースで進んだ。ゴール前での体を張った守備と、GK小島亨介のたびたびの好セーブがなければ、あるいは勝点1を積み上げることも難しかっただろう。

「今日は、守備陣が本当に耐えてくれました。前の僕たちが点を取れば、それだけ楽に戦える。次は1点といわず、複数得点を狙いたい」

その左足クロスには、さらに磨きが掛けられる。もちろん相手が警戒し、縦の突破を封じにくれば、今度はカットインして右足から繰り出される高精度シュートの威力が増すことになる。サイドハーフとしてさらに違いを見せるために、居残り練習は続く。

Reported by 大中祐二