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【取材ノート:川崎F】JOHOR JAPAN FOOTBALL GALLERYと練習場

2022年4月19日(火)
フロンターレがACLグループIのグループステージ4試合を戦うタン・スリ・ダト・ハジ・ハッサン・ユーヌス・スタジアム、旧名ラルキンスタジアムには、マレーシアの施設としては一風変わったギャラリーがある。

「JOHOR JAPAN FOOTBALL GALLERY」と名付けられたそのギャラリーには、いわゆるジョホールバルの歓喜にまつわる展示物が展示されている。現在臨時休業中のこのギャラリーを広州戦前に特別に見させてもらった。



こちらのギャラリーの開設に動かれたのが、ジョホールバルで芝の管理会社のCEOを務められておられる廣井功一さんだ。廣井さんは2004年に開催されたAFCユース選手権の際に会場のラルキンスタジアムの芝を整備し、その功績が認められマレーシアサッカー協会から感謝状を受ける。その後、国立競技場などの芝の管理を手掛ける中で、ジョホール州の王様と皇太子のそれぞれの求めに応じ、芝を敷設したという。王家のお二人からの提案に対し、正しい知識に基づいた芝を逆提案して信頼を得たという。ちなみに王様とのやり取りを見ていた地元の人達からは「よく殺されなかったな」と言われるようなやり取りだったという。

ラルキンスタジアムに日本サッカー界にとって記念碑的なものを残したいと考えていた廣井さんはJFAを動かし、州政府を動かし、大使館も動かし、日本とジョホール州の交流を促進する事を目的としたジャパン・ジョホール友好協会を設立し、最後は自費を投じてミュージアムの設立にこぎつけたという。



ACLのグループステージ視察のため、当地を訪れていた川崎フロンターレの吉田明宏社長をアテンドする廣井さんは「Jリーグのクラブがこうしてラルキンスタジアムで試合をするという巡り合わせはなかなかない」と説明。グループステージ中、チーム活動に影響が出ないタイミングでトップチームにも見学してもらいたいとしていた。



グループステージが集中開催されてるからこそ、ジョホール・ダルル・タクジム以外との試合もジョホールバルで組まれ、ラルキンスタジアムが使用された。なかなかない巡り合わせであることは間違いない。



なお、廣井さんの会社は今大会中、川崎が使用する練習場の芝の管理も手掛けている。プロサッカーチームにとってもっとも重要なのは、スタジアムでもきらびやかなスター選手でもない。練習環境だ。試合のために最も大事な時間を過ごす練習環境の維持管理を通じ、廣井さんも川崎とともにACLを戦っている。

Reported by 江藤高志

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