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【取材ノート:神戸】新加入の飯野&ムゴシャが解禁!?週末の鹿島戦で神戸デビューも

2022年7月14日(木)
すでにチーム練習に合流している新加入の飯野七聖とステファン ムゴシャが、移籍時の規約などをクリアし、いよいよ今週末の明治安田生命J1リーグ第22節・鹿島戦から出場が可能になる。彼らを今節で使うかどうかはさておき、シーズン後半戦の楽しみが増えたのは間違いない。

そもそも2人を補強したのは、ロティーナ前監督時代の課題を克服するためだと考えられる。課題とは得点力不足と右サイドの攻撃面。前者は韓国Kリーグの仁川で129試合68得点という実績を誇るムゴシャを入れることでゴール数の増加を狙ったとみられる。

しかも、このモンテネグロ代表FWは今季14ゴールを挙げてKリーグ得点ランキング首位に立っていた。身体が出来上がっている上に試合勘も問題ない。まさに即戦力のストライカーだった。

右サイドの課題に関しては、鳥栖で右のスペシャリストとして名を馳せていた飯野を入れることで補填をはかった。これまでは郷家友太や山川哲史らを軸にチーム全体の攻守のバランスを取っていたが、やや守備に傾倒しがちで攻撃面に物足りなさが感じられていた。豊富な運動量を武器に上下動を繰り返す飯野が入れば右サイドは自ずと活性化する。そういう意図があったと思われる。

だが、奇しくも彼らの加入が発表された直後から2つの課題は解消へと向かうことになる。吉田孝行監督が就任し、選手たちが危機感をもって試合に挑み出した結果として武藤嘉紀や大迫勇也にゴールが生まれはじめた。そして右サイドではアカデミー育ちの小田裕太郎が迫力あるドリブルで相手の脅威となり、右SBの山川哲史がより高い位置でプレーし、吉田監督の初陣となった鳥栖戦では武藤の先制点をアシストしてみせた。


また、直近の天皇杯ラウンド16では佐々木大樹や中坂勇哉といったベンチメンバーたちが躍動。佐々木と初瀬亮のゴールで難敵・柏を2-1で退けた。今や、鳴り物入りで神戸にやってきた飯野とムゴシャでさえ、試合に出られる保証がないほど既存選手たちが調子を上げている。


とはいえ、神戸はまだJ1リーグ、ACL、天皇杯、ルヴァンカップと4つの大会を残している。これらを過密日程の中で勝っていくには選手層の厚みが重要なテーマになる。飯野とムゴシャの起用はあるのか、彼らの可能性はどうか。残りのシーズンを占う意味でも彼らの動向に注目したい。

Reported by 白井邦彦