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【取材ノート:大宮】新背番号はエースナンバー。9番に変わった中野誠也の覚悟

2023年1月26日(木)


新シーズンを迎え、チームの新体制が発表されてまずチェックするのが、各選手の背番号である。新加入の選手が何番を背負うのか、既存選手で番号を変えた選手がいるのか。個人的にはかなり興味深く見ている。

中野誠也は大宮アルディージャでの3年目となった今年、それまでの27から9へ背番号を変えた。満を持してのエースストライカーナンバーかとも思われたが、実はそうでもないらしい。ジュビロ磐田のアカデミー時代から、背負ってきたのは11番。2017年、筑波大学が天皇杯で快進撃を見せ、奇しくも大宮とラウンド16で相見えた時も、中野は11を背負って戦っていた。



「ずっと11番でした。でも、9番も11番もFWとして大事にしないといけない番号だと思うので、引き締まる思いはあります。9番を着けるチャンスをクラブがくれたので、覚悟を持って背負う決断をしました」

中野にとって背番号9は、稀代のストライカー、中山雅史氏のイメージだと言う。静岡県浜松市出身のサッカー少年にとって、地元クラブの偉大な選手はまさに「圧倒的」(中野)な存在であったことだろう。今年は、かつて仰いだ中山氏と同じように、9番としての責任をも背負って戦うのだ。



昨年はなかなかコンディションが整わず、出場機会を得ること自体に苦しむ時期もあった。だが、第34節から2トップの一角に固定されると、10試合で5得点とゴールを量産。特に、ラスト9試合は富山貴光との2トップの関係性で生み出したゴールも少なくなかった。中野誠也ここにありと存在感を示せた感触はある。

「チームの成績は抜きにして、個人としてはいい形で終われたと思っているので、今シーズンは気持ち的にもいいスタートができていると思います。時間さえくれれば点を取る、というのは自分としては持ってますし、自分の課題として(出場機会を)勝ち得ていかないといけない。とにかくチームを勝たせる得点を取り続けるんだという気持ちを持って、やっていきたい」

背番号9としての責任と自覚。多くの人たちの思いも背負い、新シーズンに臨む。

Reported by 土地将靖