Js LINK - Japan Sports LINK

Js LINKニュース

【取材ノート:清水】ホームで迎えるJ2開幕戦。守護神・権田修一が語るアイスタで勝つことの意味

2023年2月17日(金)
1年でのJ1復帰を絶対的な目標として、2度目のJ2開幕を迎える清水エスパルス。今季はチームのスタイル的にもボールを保持しながら攻撃的に戦うサッカーを目指しており、クラブの体質や目標・計画も含めて大きな改革を図りながら結果を出していくという高いハードルを自らに課している。

そうした多くのミッションの中でも、ホーム=アイスタ(IAIスタジアム日本平)での勝率を高めるというのはとくに重要になる。ここ数年の清水はアイスタでの勝率が悪く、とくに昨年は2勝8分7敗(勝点14)で、ホームゲームの勝点が最下位。逆にアウェイでの勝点19はリーグ9位だったので、ホームでの不振が降格にも大きく影響した。
それはサポーターの満足度や定着度、そして集客にも影響していることだろう。日本代表守護神・権田修一は、開幕前の取材時にホームで勝つことの意義について次のように語った。

「僕らの仕事が一種のサービス業である以上。結果を残さないとお客さんがスタジアムに集まらないというのは当然だと思っています。僕はFC東京のときにJ2を1年やってるんですけど(2011年)、J1の勝てなかったときよりもJ2で勝ってるときのほうが、ホームのお客さんは多かったんですよ。とくにJ2の終盤戦で『観に行ったら勝てるよね』という感覚になってきたときは、お客さんがすごく入ったし、雰囲気も本当に良かった記憶があります」

「エスパルスはここ数年ずっと下位にいたので、(ゲームの中でも)なかなか思い切ったチャレンジができない状況が続いて、スタジアムに来る方もストレスがたまっていたと思います。だから今年は、観に来てくれた方に楽しんで帰ってもらうような試合をたくさん見せたいですし、それは打ち合いで負けることじゃなくて、勝って勝ちロコをやるということですよね」

清水サポーターは成績が良くないときでもチームを見限ることなく、つねに温かく支え続けているが、「いつまでもそれに甘えていたら、クラブとしての成長はないと思う」と権田は言う。そのうえでさらに言葉を重ねた。

「僕が来てからホームで10勝できてないと思いますが(リーグ戦では7勝)、なかなか勝てない状況で選手にプレッシャーがかかるということもあったかもしれません。でも、今年はそれを覆す1年だと思っています。皆さんが良い空気を作ってくれて、僕らもその中で楽しんで思い切ってプレーできるような流れを取り戻せば、来年は自信を持ってJ1に臨めると思います。エスパルスに関わる全ての人が今年やらなければいけないのは、自信を取り戻すことだと思っています」

その自信を取り戻す意味でも、アイスタで迎えられる開幕戦で水戸を倒し、半年ぶりの勝ちロコを踊ることが、今季最初に成し遂げなければいけない最重要ミッションとなる。

Reported by 前島芳雄