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【取材ノート:大宮】ニューカマーの劇的一発。アンジェロッティを生かし、生かされるチームへ

2023年3月16日(木)


明治安田生命J2リーグ第4節のジュビロ磐田戦。大宮アルディージャに劇的な勝利をもたらしたのは、ニューカマーの一発だった。


「上がったボールに対し、(袴田)裕太郎の立ち位置ではたぶん勢い良く叩けないかなと折り返しを予想して、それがドンピシャで自分のところに来た」

値千金のゴール後には、メインスタンドに向かってサインを送った。「今日は彼女が見に来ていた。1点目は彼女に捧げると約束していた」と微笑ましいエピソードも聞かせてくれた。その外見は強面のイメージすらあるが、練習場で目が合えば必ず手を挙げて挨拶をしてくるナイスガイだ。

開幕前のキャンプではサイドハーフに入ることもあり、流れの中でかなり低い位置まで下がることもあった。適正ポジションはどこなのかと見定めていたが、長身で的になることもでき、懐が深くキープ力もある。前線で起点になることができれば面白い存在になれると感じていたところ、早くも第2節のツエーゲン金沢戦でその一端を見せてくれた。なかなか決まらなかった得点も生まれ、これで波に乗るのでは、と質問したところ、返ってきた言葉はこうだった。



「自分がゴールする欲はもちろんあるんですけど、自分よりもいいポジションにいる仲間がいればそこにパスを出したい。何よりもチームが勝つためなので、そこはしっかりやりたい」

どこかで聞いたことのあるようなフレーズだな、と思ったが、かつて大宮で活躍したラファエルを思い出した。長身でキープ力のあるところも共通する。こういう選手はすぐにチームにフィットし、大きな貢献をもたらしてくれる。

…と思いきや、磐田戦の93分にはペナルティエリアすぐ外からのフリーキックは、大山啓輔も「アンジェがめちゃめちゃ蹴りたそうだったので譲った」。アンジェロッティは「残念なことに味方に当たってしまった。もっともっと練習して、自分のキックでゴールを決めたい」と反省しきりだったが、チームに貢献したいという強い思いから、ということにしておこう。



ともあれ、2年ぶりの外国籍選手はとてもいい補強になっている。アンジェロッティをどれだけ生かし、生かされるか。さらなるフィットを期待したい。

Reported by 土地将靖