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【取材ノート:大宮】自分のために、そして大宮のために。柴山昌也の決めたペナルティキックの重み

2023年4月13日(木)


待望の、そして安堵の一発だった。

明治安田生命J2リーグ第8節、大宮アルディージャ対モンテディオ山形戦。1-1のタイスコアで迎えた試合終盤の79分、室井彗佑が、そして小島幹敏が倒されて大宮にペナルティキックが与えられた。


勝ち越しの懸かった大事な場面。ここで重要なタスクを課されたのは柴山昌也だった。

「1番手はトミくん(富山貴光)で2番手が自分で、トミくんが交代していたので必然的に自分が蹴る形になりました。監督から毎試合、キッカーは誰、その人に何かあったら次は誰、みたいに言われるんですけど、今日初めて(自分が)言われていて、そうしたらもう(蹴るチャンスが)来て、最高です」

これが自身の今季初ゴールとなった。ここまで全8試合に先発出場しているアタッカーとしてはいささか遅い感もある。それは何より自分が意識していた。数試合前から、試合後には必ず得点への意欲を、いや、執着を口にしていた。それだけに、たとえPKと言えども大きな1点となった。

「ボールがネットに触れる感覚とか、サポーターが喜んでる姿とかを再確認できて、また少し心の中でほっとした部分がありました。ちょっとやりやすくなったかなって感じです」



キックの直前には、左胸のクラブエンブレムを右手で握りしめた。

「サポーターを見たら、1人で蹴るんじゃないなと思って、大宮のために蹴ろうと思いました」

そうした思いの重みが、相手GKの伸ばした手を弾き飛ばしたのかもしれない。今季のホームでの強さの一端を垣間見られた場面でもあった。

この試合では、今季ここまでの最多となる4本のシュートを放った。前線に小島が入る現在の布陣は「やりやすいです」と歓迎している様子。アンジェロッティ不在の現状に、得点力アップは急務だ。相手にとって本当の意味で怖い存在へ、変わるきっかけとなってほしい。

Reported by 土地将靖