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【取材ノート:神戸】撃ち合いに敗れた前節の横浜FM戦。その是非を監督と山口蛍に問うた

2023年4月27日(木)
明治安田J1第9節で前年王者の横浜FMに敗れた神戸だが、他会場の結果によって首位をキープしている(6勝1分2敗/勝点19)。とはいえ、勝点2差の中に5チームがひしめく混戦模様で、今節の結果次第では首位を明け渡す可能性もある。神戸にとって今節は是が非でもホームで勝点3がほしい一戦となる。

対戦相手の湘南は神戸に次ぐリーグ2位の得点数を誇るオフェンシブなチーム。横浜FM戦に続いて“撃ち合い”になる可能性がある。そこで、横浜FM戦の撃ち合いが良かったのか悪かったのかを振り返っておきたい。4月25日の公開練習で、吉田孝行監督と山口蛍に撃ち合いの“是非”を問うてみた。


横浜FM戦までの神戸は8試合でわずか3失点という堅守を誇っていた。撃ち合いが予想された2節の札幌戦では試合終了間際にPKで1点を奪われたものの、3-1で手堅く勝っている。複数得点の3節・G大阪戦(4-0)、6節・京都戦(3-0)、8節・鹿島戦(5-1)もゴールの奪い合いではなく、しっかりと守備をした中で得点を重ねるという理想的な戦いができていた。では、なぜ横浜FM戦だけ2-0から試合をひっくり返されてしまったのか。吉田孝行監督は2-3という撃ち合いについて、こう振り返った。

「特に撃ち合いに持っていかれた印象はないです。めちゃめちゃやられた印象がないから悔しいというか…。相手の質は高かったと思いますが、チャンスの数は我々の方が多かったと思います。それに、マリノス相手に2点取ってもセーフティリードではないですし、2-0の段階で勝ったと思ってはいませんでした」

サッカーでは2-0というスコアが危険だと言われることがある。次の1点がどちらに傾くかで戦局が大きく変わる可能性があるからだ。神戸は19分に汰木康也が相手の連携ミスを逃さずに先制点を決め、28分には汰木のクロスから大迫勇也が決めて2点リードを作り出した。理想的な展開だったが、試合の残り時間はまだ60分以上もある。この時点で神戸は3点目を奪いにいくのか、それともゲームを少しコントロールするのか。その判断を迫られることになった。

山口蛍は2-0以降のチームの雰囲気についてこう話してくれた。

「(3点目か、コントロールか)どっちでもなかったです。前は行こうとしていて、後ろはそれにちょっと着いて行けなかったというか。どっちが悪いとかではないですけど、そこの擦り合わせは90分間を通してやっていかないといけない。どっちかが行かなくなっちゃうとああいう展開になるのかなと思うので。チームとして行くのか行かないのか。そこが中途半端だったのかなと思います」

現在、神戸はJ1トップの19得点をマークしている。今節(10節)の相手である湘南はそれに次ぐ18得点を決めている。前節は堅守を誇る2位・名古屋に対して2点ビハインドから2-2の引き分けにまで持っていくなど、チカラのあるチームだ。神戸は横浜FM戦での反省を活かして連敗を回避できるかどうか。上位戦線に残るための一つの指標となる一戦になりそうだ。

Reported by 白井邦彦