6月11日開催の天皇杯2回戦でロアッソ熊本と対戦したジェフユナイテッド千葉。直前の公式戦である明治安田J2リーグ第18節からスタメンを5人入れ替えて臨む中、左サイドハーフのスタメンとなったのは林誠道だった。
2024シーズンから千葉に在籍する林は、これまで公式戦では1トップ、2トップの一角でプレーしてきており、今シーズンの千葉の左サイドハーフとしては椿直起が活躍してきた。ただし、前述のJ2リーグ第18節で69分に交代出場した林は2トップの一角に入ったが、84分に米倉恒貴が田中和樹に代わって出場すると、その試合で椿、続いて田中が務めた左サイドハーフのポジションに移動。89分には中盤でレノファ山口の選手に寄せられながらも粘ってボールをキープしながら攻め上がり、カルリーニョス ジュニオからのリターンパスを受けて決定的なシュートを打っていた。
そして、天皇杯2回戦では、20分に呉屋大翔のパスを受けて林の決定機となったが、シュートは惜しくもゴールポストの横に外れてノーゴール。だが、23分、日高大のスルーパスを受けて左サイドを突破すると、林がゴール前に入れたクロスに呉屋が合わせ、千葉の先制ゴールとなった。後半は熊本の猛攻を受けながらしのいでいた千葉だったが、66分に林が交代したあとの85分にオウンゴールで失点。延長戦では両チームとも得点がなく、PK戦4-5で千葉は初戦敗退となった。
スタメンでの林の左サイドハーフ起用の狙いについて、千葉の小林慶行監督は試合後の記者会見で記者の質問に答える形でこう話した。
「この前も同じポジションで起用しています。彼ができる中でシンプルに勝つために使ったということです」
そして、林のアシストで得点した呉屋は得点シーン、そして林との連係について手応えを口にした。
「ミチ(林)からいいボールが来て、うまく合わせられたかなという感じです。何回かトレーニングでやっていて、すごく距離感も良くてやりやすい感覚はありました。(この試合で右サイドハーフのスタメンだった)ナオ(杉山直宏)も含めてバランス的には良かったのかなと思っています」
不慣れといえるポジションでのスタメンだったが、アシストという結果を残した林は、そのシーンを振り返って笑顔を見せた。
「(公式戦で)初めてあのポジションをやりましたけど、やるべきタスクは言われていたので、それはうまくいったかなと思います。(日高)大くんがボールを持った時の動き出しは良かったですし、相手は対応できていなかったので、あとは中を見たら(呉屋)大翔くんがいたので何とかうまく合わせられたかなと思います。自分もゴールを決めたいですけど、出来としては良かったというか、悪くなかったんじゃないかと思います」
1トップや2トップの一角とは違い、ゴール前に入って行く形についても手応えがあったようだ。
「前向きに入って行ける回数が増えているので、それはもっと増やしたいですし、今日もチャンスがあったので。そこで決めきりたいなという思いが正直なところあります。カットイン気味のシュートもあったので、そういうのをどんどん増やしていければいいかなと思います」
ただし、左サイドハーフならではのタスク、特に守備面にはまだ大変なところがあるという。
「守備のところでは負担というかタスクが大きいところがあるんですけど、そこをこなして結果を残すことは大事だと思います。でも、攻撃だけでなく守備のところもけっこう言われているので、自分たちができるタスクをしっかりこなすことはできたとは思います。攻撃も守備もポジションならではのタスクやポジショニングが決まっているので、そこに対してネガティブなことはなかったです。ただ、自分自身はもう少し中にポジションをとりたい時もあるので、このポジションで出場するなら、そこは大くんと話し合いながらやっていきたいなと思います。今日に関してはもう少し試合に長く出たかったです。自分はいつも全部出しきる気持ちでプレーしているんですけど、その中でもまだできたというのはあったので。単純にピッチに長く立ちたいですし、そうすれば何かしらチャンスは来ると思うので、もっと出たいなというのはあります」
田中と椿という両翼が対戦相手に警戒され、対策を講じられる中での林の左サイドハーフという新たなオプションで臨んだ6月15日開催のJ2リーグ第19節。千葉は勝ちきれずに3-3の引き分けに終わったが、今シーズンはまだ複数失点がない徳島ヴォルティスから石川大地、呉屋、田中が得点して3ゴールを奪った。そして、千葉の公式戦での複数得点はブラウブリッツ秋田に3-1で勝ったJ2リーグ第11節以来となる。J2リーグ第15節以来勝利がない千葉は、新たなオプションを得てJ2昇格へ再スタートを切る。
Reported by 赤沼圭子
2024シーズンから千葉に在籍する林は、これまで公式戦では1トップ、2トップの一角でプレーしてきており、今シーズンの千葉の左サイドハーフとしては椿直起が活躍してきた。ただし、前述のJ2リーグ第18節で69分に交代出場した林は2トップの一角に入ったが、84分に米倉恒貴が田中和樹に代わって出場すると、その試合で椿、続いて田中が務めた左サイドハーフのポジションに移動。89分には中盤でレノファ山口の選手に寄せられながらも粘ってボールをキープしながら攻め上がり、カルリーニョス ジュニオからのリターンパスを受けて決定的なシュートを打っていた。
そして、天皇杯2回戦では、20分に呉屋大翔のパスを受けて林の決定機となったが、シュートは惜しくもゴールポストの横に外れてノーゴール。だが、23分、日高大のスルーパスを受けて左サイドを突破すると、林がゴール前に入れたクロスに呉屋が合わせ、千葉の先制ゴールとなった。後半は熊本の猛攻を受けながらしのいでいた千葉だったが、66分に林が交代したあとの85分にオウンゴールで失点。延長戦では両チームとも得点がなく、PK戦4-5で千葉は初戦敗退となった。
スタメンでの林の左サイドハーフ起用の狙いについて、千葉の小林慶行監督は試合後の記者会見で記者の質問に答える形でこう話した。
「この前も同じポジションで起用しています。彼ができる中でシンプルに勝つために使ったということです」
そして、林のアシストで得点した呉屋は得点シーン、そして林との連係について手応えを口にした。
「ミチ(林)からいいボールが来て、うまく合わせられたかなという感じです。何回かトレーニングでやっていて、すごく距離感も良くてやりやすい感覚はありました。(この試合で右サイドハーフのスタメンだった)ナオ(杉山直宏)も含めてバランス的には良かったのかなと思っています」
不慣れといえるポジションでのスタメンだったが、アシストという結果を残した林は、そのシーンを振り返って笑顔を見せた。
「(公式戦で)初めてあのポジションをやりましたけど、やるべきタスクは言われていたので、それはうまくいったかなと思います。(日高)大くんがボールを持った時の動き出しは良かったですし、相手は対応できていなかったので、あとは中を見たら(呉屋)大翔くんがいたので何とかうまく合わせられたかなと思います。自分もゴールを決めたいですけど、出来としては良かったというか、悪くなかったんじゃないかと思います」
1トップや2トップの一角とは違い、ゴール前に入って行く形についても手応えがあったようだ。
「前向きに入って行ける回数が増えているので、それはもっと増やしたいですし、今日もチャンスがあったので。そこで決めきりたいなという思いが正直なところあります。カットイン気味のシュートもあったので、そういうのをどんどん増やしていければいいかなと思います」
ただし、左サイドハーフならではのタスク、特に守備面にはまだ大変なところがあるという。
「守備のところでは負担というかタスクが大きいところがあるんですけど、そこをこなして結果を残すことは大事だと思います。でも、攻撃だけでなく守備のところもけっこう言われているので、自分たちができるタスクをしっかりこなすことはできたとは思います。攻撃も守備もポジションならではのタスクやポジショニングが決まっているので、そこに対してネガティブなことはなかったです。ただ、自分自身はもう少し中にポジションをとりたい時もあるので、このポジションで出場するなら、そこは大くんと話し合いながらやっていきたいなと思います。今日に関してはもう少し試合に長く出たかったです。自分はいつも全部出しきる気持ちでプレーしているんですけど、その中でもまだできたというのはあったので。単純にピッチに長く立ちたいですし、そうすれば何かしらチャンスは来ると思うので、もっと出たいなというのはあります」
田中と椿という両翼が対戦相手に警戒され、対策を講じられる中での林の左サイドハーフという新たなオプションで臨んだ6月15日開催のJ2リーグ第19節。千葉は勝ちきれずに3-3の引き分けに終わったが、今シーズンはまだ複数失点がない徳島ヴォルティスから石川大地、呉屋、田中が得点して3ゴールを奪った。そして、千葉の公式戦での複数得点はブラウブリッツ秋田に3-1で勝ったJ2リーグ第11節以来となる。J2リーグ第15節以来勝利がない千葉は、新たなオプションを得てJ2昇格へ再スタートを切る。
Reported by 赤沼圭子