5月25日のJ1第18節京都サンガ戦での勝利以来、東京ヴェルディはリーグ戦では3試合、ルヴァンカップも含めると5試合連続で勝ち星から遠ざかってしまっている。昨年J1に復帰を果たして以降、東京ヴェルディのゴール裏は「ブーイングではなく、拍手で叱咤激励を」を合言葉に、いかにその日の戦いに苦言を伝えたいことがある時であっても常に試合後は拍手で選手たちを迎え、ポジティブな言動でサポートしてきた。だが、5試合未勝利が続くこととなった前節セレッソ大阪戦後は、さすがにブーイングが鳴り響いた。その直後、ファン・サポーターから飛び交った言葉の1つ1つに対し、森田晃樹主将とともにしっかりと耳を傾け、受け止めたのがマテウスだった。
「サポーターの皆さんにはもちろん要求する権利があると思います。その中で、自分が見ている限りではサポーターの方々がしっかりとした態度で選手と接していましたし、チームメイトが誰一人攻撃的な言葉を受けていない。そういう意味でも、有意義な対話ができたと思いました」と、6年目ブラジル人GKはヨドコウ桜スタジアムゴール裏での一幕を振り返る。
ここまで、いつ、いかなる時でも拍手で迎えてくれた“戦友”の反応に、サッカー母国出身選手の価値観として、時に『今日はブーイングじゃなければおかしい』と自ら意思を発したこともあった。だからこそ、今までとは真逆ともいえる今回のブーイングに対し純粋に理解を示す。
「ここまでの自分たちのパフォーマンスを振り返っても、ここ最近は整理がついていなくて、チャンスも作られて失点もしているので、しっかり修正しなければいけない。攻撃面でも、実際に細かなデータで見てもゴールチャンスメイク数が、うちのチームはリーグでダントツで低い。そこは確実に増やしていかないといけないですし、チーム得点王がセンターバックの綱島悠斗だということも含めて、それが普通だとは言えない結果だと思っています。そういったところも含めて、試合内容的に、ファン・サポーターの方々がそういう(ブーイングという)ことをせざるを得ない内容にしてしまっているなと思っています。ただ、これは『誰が』という問題ではなく、チーム全体としての問題。それぞれがお互いに、もっともっと要求していかなければいけない部分だと思います」
改善策として、マテウスは「内容のつきつめ」だと力説する。
「結果と内容を比較した時に、内容の方が結果より悪いなというのが、今、僕が感じている意見です。なんとか結果が出ていたことで、『悪くない』とか『少し良くなっている』という感じで満足してしまって、内容の部分が隠れてしまっていたのかなと。特にここ最近は勝っている試合でも内容が良くないゲームが続いてるので、そこをしっかりと全員が受け止めなければいけない。
初戦から、いろいろなところに問題が出ていましたが、城福浩監督はそれをなんとか改善しようと、いろいろな形を取って、いろいろなやり方を試していく中で、今もなかなか結果が出ていない以上、やはり自分たち選手がもっと良くならないといけない。やっているのは選手なんですから。監督が背負っているその責任を、もう少しみんなで分け合わないといけないよねという話もみんなで話したので、誰かのせいとか、どこが悪いとかいうことではなくて、チーム、クラブ全体としてもっともっと良くなっていくこと以外、解決策はないのかなと思います」
加入して6年。アカデミー出身の生え抜き選手にも負けないほど強く東京ヴェルディを想っているマテウスの言葉だからこそ、重く、深い。
今こそ正念場。「ここ最近溜まってしまっていたフラストレーションをポジティブなパワーに変えていきたい」。チーム全員が現状と真摯に向き合い、逃げず、自分たちが積み上げてきたものを信じて邁進するのみだ。
Reported by 上岡真里江
「サポーターの皆さんにはもちろん要求する権利があると思います。その中で、自分が見ている限りではサポーターの方々がしっかりとした態度で選手と接していましたし、チームメイトが誰一人攻撃的な言葉を受けていない。そういう意味でも、有意義な対話ができたと思いました」と、6年目ブラジル人GKはヨドコウ桜スタジアムゴール裏での一幕を振り返る。
ここまで、いつ、いかなる時でも拍手で迎えてくれた“戦友”の反応に、サッカー母国出身選手の価値観として、時に『今日はブーイングじゃなければおかしい』と自ら意思を発したこともあった。だからこそ、今までとは真逆ともいえる今回のブーイングに対し純粋に理解を示す。
「ここまでの自分たちのパフォーマンスを振り返っても、ここ最近は整理がついていなくて、チャンスも作られて失点もしているので、しっかり修正しなければいけない。攻撃面でも、実際に細かなデータで見てもゴールチャンスメイク数が、うちのチームはリーグでダントツで低い。そこは確実に増やしていかないといけないですし、チーム得点王がセンターバックの綱島悠斗だということも含めて、それが普通だとは言えない結果だと思っています。そういったところも含めて、試合内容的に、ファン・サポーターの方々がそういう(ブーイングという)ことをせざるを得ない内容にしてしまっているなと思っています。ただ、これは『誰が』という問題ではなく、チーム全体としての問題。それぞれがお互いに、もっともっと要求していかなければいけない部分だと思います」
改善策として、マテウスは「内容のつきつめ」だと力説する。
「結果と内容を比較した時に、内容の方が結果より悪いなというのが、今、僕が感じている意見です。なんとか結果が出ていたことで、『悪くない』とか『少し良くなっている』という感じで満足してしまって、内容の部分が隠れてしまっていたのかなと。特にここ最近は勝っている試合でも内容が良くないゲームが続いてるので、そこをしっかりと全員が受け止めなければいけない。
初戦から、いろいろなところに問題が出ていましたが、城福浩監督はそれをなんとか改善しようと、いろいろな形を取って、いろいろなやり方を試していく中で、今もなかなか結果が出ていない以上、やはり自分たち選手がもっと良くならないといけない。やっているのは選手なんですから。監督が背負っているその責任を、もう少しみんなで分け合わないといけないよねという話もみんなで話したので、誰かのせいとか、どこが悪いとかいうことではなくて、チーム、クラブ全体としてもっともっと良くなっていくこと以外、解決策はないのかなと思います」
加入して6年。アカデミー出身の生え抜き選手にも負けないほど強く東京ヴェルディを想っているマテウスの言葉だからこそ、重く、深い。
今こそ正念場。「ここ最近溜まってしまっていたフラストレーションをポジティブなパワーに変えていきたい」。チーム全員が現状と真摯に向き合い、逃げず、自分たちが積み上げてきたものを信じて邁進するのみだ。
Reported by 上岡真里江