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【取材ノート:大宮】もっとフィニッシュに。新アタッカー、津久井匠海がチームを高みへ導く

2025年6月26日(木)


まさに爆走だった。

新戦力・津久井匠海のお披露目ともいえるドリブルに、NACK5スタジアム大宮の熱気は一気に頂点へと達した。

明治安田J2リーグ、シーズン折り返し初戦の第20節、サガン鳥栖をホームに迎えた一戦は、スコアレスでじりじりと進んでいった。そこで61分、長澤徹監督は津久井を含め3枚替えで試合の主導権を奪いにいった。その直後に生まれたのが64分、冒頭のシーンだ。

鳥栖のアタックを防いだセカンドボールを拾うとそのまま相手DF2人を交わし、前進する。最後のDFも振り切ると、そのままペナルティエリア手前まで突進、豊川雄太へパスを送りシュートを導いた。
「ドリブルでNACKが揺れたのは僕も感じていました。本当にサッカー選手やっててよかったなと思いました。ああいう推進力が僕の持ち味ですし、それを出さないと僕が出ている意味がないんで、もっともっと出していきたいと思います」


81分には左コーナースポット付近で起点になり、そこからファビアン ゴンザレスへパスを送り、ファールを誘った。試合終了直前には、自分で奪ったボールを石川俊輝との大きなワンツーで受け、クロスを送る。残念ながらいずれも得点にはつながらなかったが、大宮デビューとなった第19節V・ファーレン長崎戦よりプレー時間も増え、周囲との連係も、徐々にではあるが向上しているように見受けられる。3-4-2-1のシャドー、4-4-2(鳥栖戦は4-4-1だったが)の左右両サイドハーフといろいろなポジションで試されており、チーム全体の攻撃同様、ポジティブに“もう少し”といったところだろうか。

「もっとフィニッシュの部分に関わっていきたいですね。サイドだけじゃなくて、ゴール前に侵入する動きだったり、そこに持ち運んでいく、もっと1人で打開できる場面もあったと思うんで、もっと個を伸ばしていきたいです」



大宮への合流直後に話を聞いた際には、移籍の喜びを喜色満面に語っていた。

「オファーをいただいて本当に嬉しくて、自分がやってきたことは間違ってなかったんだなっていう思いがありました。対戦してめちゃめちゃ強かった相手からオファーをいただくのは本当に光栄なことですし、自分が今後、チームとしても個人としても上に行くためには、J1昇格が必須だと思ってるんで、チームのためにも、周りの応援してくれる人のためにも、それこそ自分のためにも、このチームで結果を出したいですね」

“自分のため”、その野心もいい。

そのためにも、まずは一つ目の目に見える結果が欲しい。それは、もうすぐのような気もする。

Reported by 土地将靖
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