今シーズンの明治安田J2リーグで第20節から無得点が続き3連敗、第16節から3分4敗と、非常に苦しい状況となっていたジェフユナイテッド千葉。第23節の対戦相手は、対戦成績がJ2リーグ戦で7勝7分11敗、J1リーグ戦では2敗と相性の悪いモンテディオ山形だった。山形には2024シーズンの明治安田J2リーグ最終節で0-4の大敗。その結果、第37節からの連敗によって、千葉は第36節終了時点では進出が濃厚だったJ1昇格プレーオフの進出圏外の7位に転落し、J2リーグ戦を終えた。
2024シーズンの千葉はシーズンダブルを食らったチームが6チームあり、そのうちの1チームが山形だった。ただ、ホーム開催だった今シーズンの第3節では3-2で競り勝っている。それでも千葉にとって第23節は、同じくアウェイゲームだった2024シーズン最終節の悔しさや無念の思いを晴らそうと選手たちは意気込んでいた。
第23節は『1点』を争う試合となった。千葉は前半、椿直起が5分にゴールポスト直撃、24分にはクロスバー直撃の決定的なシュートを放つが、いずれもノーゴール。23分には品田愛斗、45+1分には横山暁之のシュートが、山形のGKのトーマス ヒュワード ベルにセーブされ、決定機をモノにできない。一方の山形も前半から決定機を作り、千葉はGKのホセ スアレスのファインセーブ、守備陣のゴール前での体を張った守備で失点を阻止していた。
試合が動いたのは81分だった。CKを得た千葉は品田が蹴ったボールを河野貴志が頭で落とすと、そのこぼれ球を鳥海晃司が左足でシュート。これが決まって千葉が先制すると、その後の山形の猛攻に耐えて千葉が1-0の勝利を収めた。
この山形戦を見ていて、筆者は今シーズンの第11節の試合後のカルリーニョス ジュニオの言葉を思い出した。第11節の対戦相手は2024シーズンにシーズンダブルを食らったブラウブリッツ秋田だったが、千葉はエドゥアルドが先制ゴールを奪うと、カルリーニョス ジュニオが2得点し、3-1の勝利を収めたのだった。
「試合前のミーティングでトリ(鳥海)からこんな言葉がかけられたんです。去年、ジェフは秋田にシーズンダブルを食らってしまったということで、それを変えるためにも『今日の試合は新加入選手が責任を持ってプレーしないといけない』と。今日の勝利で相性が良くないという悪いイメージが払拭できたんじゃないかと思うので良かったです」
第23節でカルリーニョス ジュニオは65分に交代出場。公式記録でシュートゼロと攻撃面では数字に表れるような結果は残せなかった。だが、山形が攻めようとする時には猛然とボールホルダーにプレッシャーをかけ、ボールを追って走り回って守備面で貢献した。
今シーズンの新加入選手には2024シーズンに千葉が味わった悔しさや苦しみは分からない。しかし、今シーズン、最良の結果を出そうとする思いの強さは、既存の選手も新加入選手も変わらない。過去の結果はもう覆せないが、痛恨の極みともいうべき一戦があった地で、第23節では勝利の歓喜を味わうことができた。
歴史は変えていくことができる。千葉がJ1になかなか戻れないという歴史を今シーズンこそ変える。最近の試合では試合結果は思うようなものではなくとも、貴重な出場機会を得た選手が持ち味を発揮している。ピッチに立った選手だけでなく、全選手の努力があって、千葉がJ1昇格という新たな歴史を書き加えることができる。そんなことを感じた一戦だった。
Reported by 赤沼圭子
2024シーズンの千葉はシーズンダブルを食らったチームが6チームあり、そのうちの1チームが山形だった。ただ、ホーム開催だった今シーズンの第3節では3-2で競り勝っている。それでも千葉にとって第23節は、同じくアウェイゲームだった2024シーズン最終節の悔しさや無念の思いを晴らそうと選手たちは意気込んでいた。
第23節は『1点』を争う試合となった。千葉は前半、椿直起が5分にゴールポスト直撃、24分にはクロスバー直撃の決定的なシュートを放つが、いずれもノーゴール。23分には品田愛斗、45+1分には横山暁之のシュートが、山形のGKのトーマス ヒュワード ベルにセーブされ、決定機をモノにできない。一方の山形も前半から決定機を作り、千葉はGKのホセ スアレスのファインセーブ、守備陣のゴール前での体を張った守備で失点を阻止していた。
試合が動いたのは81分だった。CKを得た千葉は品田が蹴ったボールを河野貴志が頭で落とすと、そのこぼれ球を鳥海晃司が左足でシュート。これが決まって千葉が先制すると、その後の山形の猛攻に耐えて千葉が1-0の勝利を収めた。
この山形戦を見ていて、筆者は今シーズンの第11節の試合後のカルリーニョス ジュニオの言葉を思い出した。第11節の対戦相手は2024シーズンにシーズンダブルを食らったブラウブリッツ秋田だったが、千葉はエドゥアルドが先制ゴールを奪うと、カルリーニョス ジュニオが2得点し、3-1の勝利を収めたのだった。
「試合前のミーティングでトリ(鳥海)からこんな言葉がかけられたんです。去年、ジェフは秋田にシーズンダブルを食らってしまったということで、それを変えるためにも『今日の試合は新加入選手が責任を持ってプレーしないといけない』と。今日の勝利で相性が良くないという悪いイメージが払拭できたんじゃないかと思うので良かったです」
第23節でカルリーニョス ジュニオは65分に交代出場。公式記録でシュートゼロと攻撃面では数字に表れるような結果は残せなかった。だが、山形が攻めようとする時には猛然とボールホルダーにプレッシャーをかけ、ボールを追って走り回って守備面で貢献した。
今シーズンの新加入選手には2024シーズンに千葉が味わった悔しさや苦しみは分からない。しかし、今シーズン、最良の結果を出そうとする思いの強さは、既存の選手も新加入選手も変わらない。過去の結果はもう覆せないが、痛恨の極みともいうべき一戦があった地で、第23節では勝利の歓喜を味わうことができた。
歴史は変えていくことができる。千葉がJ1になかなか戻れないという歴史を今シーズンこそ変える。最近の試合では試合結果は思うようなものではなくとも、貴重な出場機会を得た選手が持ち味を発揮している。ピッチに立った選手だけでなく、全選手の努力があって、千葉がJ1昇格という新たな歴史を書き加えることができる。そんなことを感じた一戦だった。
Reported by 赤沼圭子