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【取材ノート:大宮】大宮から世界へ――神田泰斗17歳、プロとしてスタートラインに立つ

2025年7月31日(木)


夏に入り、酒井舜哉(RB大宮アルディージャU18)のトップ昇格、松井匠(阪南大学)の加入内定と、来季の新戦力について発表が続いたRB大宮アルディージャ。続く3人目の発表は、少々驚くべきものであった。

現在大宮U18に所属する高校2年生、神田泰斗がプロ契約を締結した、というものである。高校生でのプロ契約はクラブ史上初、もちろんクラブ史上最年少でのプロ契約となる。クラブとしていかに神田を評価しているかの表れであるが、本人は「年齢とか史上最年少というよりも、より高いレベルでプレーできるのが自分にとって一番メリットだと思いました。率直にうれしいです」と、自らに矢印を向けて心境を語った。

「一番のストロングは左足」。そう自負するキックは、展開を変えるロングパスやセットプレーでも威力を発揮する。もちろんそれだけではない。主戦場はボランチだが、「守備もできて、チームのために走れて、ゴールに直結するプレーができるのが、理想とするプレーヤー」と最終目標を語る。その中でもゴールへの意識は貪欲だ。ボランチとしてさばき役に終始してしまった試合では、「今日は何もできなかった」と不満を語ることも少なくない。ゴールに直結するパスを出し、自らもポケットやゴール前に出ていくような「よりゴールに関われる選手になりたい」と意気込んでいる。



これまでの2種登録のままでもトップの試合に出場することは可能だが、これからはプロ選手となる。「他の人からの見られ方も、2種とプロ契約じゃ全然違うと思うし、責任もついてくる」。すでにプロ選手としての自覚を持ちつつ、「今のトップチームの環境は、練習のレベルを含めてかなり高い。そこを自分の日常として身を置けたら、成長のレベルはどんどん加速していくと思う。それは本当にメリット」とさらなる向上へ意欲も高い。

今年に関しては、8月以降はプロ契約選手としてトップチームで日々を過ごし、Jリーグに絡めなければ高円宮杯JFA U-18 サッカープリンスリーグ 関東1部に出場する二足のわらじ。その中で、11月に開催されるFIFA U-17ワールドカップへの出場へ向け、U-17日本代表としての活動も見込まれる。もちろん高校生活もある。タフなシーズンになるかもしれないが、それも自らのためになると思えば辛くない。

「レッドブルが来たことで世界との繋がりも強くなっている。自分は大宮から世界に行きたいので、まずはこのクラブで結果を残して、上に行けるように頑張りたいです」

若き力に、期待は尽きない。

Reported by 土地将靖
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