
高校3年でポーランドのグールニク ザブジェに加入した宮原勇太が、この夏、ヴィッセル神戸にやってきた。テクニシャンの多い興國高校(大阪)で背番号10を背負っていたと言えば、足元の技術が高いことは容易に想像ができるだろう。
Jリーグを経由せずに海外に挑戦した宮原にとって、今シーズンはいわばルーキーイヤー。まずは神戸デビューが一つの目標となる。
その中で、吉田孝行監督が「総力戦」と話す8月16日の明治安田J1リーグ第26節(横浜FC戦)から9月7日のルヴァンカップ準々決勝第2戦(横浜FC戦)までの真夏の7連戦は宮原にとってもチャンスとなる。そのあたりも含め、8月13日の公開練習後の囲み取材の質疑応答を紹介しておきたい。

Q:改めて神戸への加入に対してどんな想いがあるかを聞かせてください。
「とてもレベルの高い環境で練習させていただき、1日1日が成長につながっているという実感があります。早く試合に出て、結果を出して活躍したいという思いがあります」
Q:6月上旬から練習に参加をしていましたが、その中で何をアピールしようと考えていましたか?
「やはり自分のストロングであるドリブル、狭いスペースでのパスワーク、その中でもボールを失わないのが自分のストロングだと思うので、そこをアピールしていました」
Q:今週末の横浜FC戦から公式戦7連戦という過密日程になる。ご自身はどんな役割を求められていますか?
「ルーキーということもあって、まだ試合に出るのは難しいかもしれません。ですが、練習からちょっとでもアピールして試合に絡めたらなと思っています」

Q:監督は『仕掛ける姿勢はいいが、決め切ることが課題』と評価していたが、そのあたりは意識しているか?
「そうですね。(シュートの)一歩前までは自分でもできるとわかっているので、最後の部分は自主練から意識しています。抜き切る前にシュートを打つとか、ワンタッチでシュートを放つとかは意識しています」
Q:そのあたりで宮代大聖選手や佐々木大樹選手などのプレーは参考になりますか?
「(2人には)自分からアドバイスを聞きにいったりしていますし、大聖くんは自分に足りない部分を全て持っている選手だとわかっているので、練習から見て学んでいます」
Q:来る前と来た後で神戸の印象は変わりましたか?
「やっぱり日本で一番強いチームとわかって練習に来て、ビッグな選手がいっぱいいる中で、来る前は(みんな)怖いのかな優しいのかなとか、(チームは)どんな感じかなと思っていました。いざ来てみたら、みんなすごく接しやすくしてくれますし、環境はすごくいいと思います。だんだん馴染んできて、もっと楽しくなってきました」
Q:自分で思う現時点での課題は?
「監督がおっしゃったように最後の部分。あとは守備の部分での連係だったりは来てまもないのでまだできていないと思います」
Q:前所属チーム(グールニク ザブジェ)には、元神戸のルーカス ポドルスキもいましたが。
「いく前に頑張れとは言われました。でも、まだ自分からは(神戸と契約を結べたと)言っていないので、今日あたり連絡してみます(笑)」
Q:神戸での日常生活も徐々に慣れてきましたか?
「久しぶりに日本に帰ってきて、ご飯が美味しいです。実家が大阪で近いのもあって生活面は特に苦労はないです」
Q:神戸での適正ポジションは?
「基本は右サイド、左サイドを主軸としてやるのかなと思います。昔からサイドに張ったり、中に入ったりしていますけど、一番得意なのはサイドハーフなのでそこで勝負できたらなと思います」

宮原の得意とするウイングポジションには、広瀬陸斗、汰木康也、エリキといったタレントが揃っている。さらに前節のFC町田ゼルビア戦ではジェアン パトリッキが復帰し、13日の公開練習では武藤嘉紀が軽快な動きを見せている。ほかにもレギュラー候補がずらりと揃う中で宮原の出番はなかなか巡ってこないかもしれない。
とはいえ、チャンスがないわけではない。期待のルーキーが真夏の7連戦で神戸デビューできるか注目したい。
Reported by 白井邦彦