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【取材ノート:琉球】ワンタッチゴーラー・高木大輔が示す瞬間の決断力

2025年8月21日(木)


前節の松本山雅FC戦(△1-1)で先制点を奪ったストライカー・高木大輔はリーグ戦3試合連続得点中。今季記録した7ゴールのすべてがワンタッチによる得点であり、それは彼らしい効率的な得点パターンを物語っている。


「ワンタッチで決められる場所に常にいたい」と語る高木は、効率的に点を奪うために一瞬の決断力と実行力に価値があると考えている。そのための武器がポジショニングであり、「相手と相手の間にいる」ことを意識することでこぼれ球やマークの隙を突いて得点につなげている。松本戦のゴールもこの動きが見事に成果となった。

彼の得点力は、その個人戦術もさることながら、チームの理解と支えによって成立している。後方からの素早い配球と、縦パスを受ける前線の選手の動き出しにより攻撃にリズムが生まれ、「周りが自分のやりたいことを理解してくれている」ことにより自然と彼にボールが集まってくる。一方で、チームのためという意識も強い。前線でボールを収め、スペースを走って起点を作り、つぶれ役もいとわない。「疲労困憊で限界を超えたとしても、自分は前に行ける人」と語る高木のピッチに立ち続ける姿勢が、エースとしての信頼を支えている。



2018年の山口時代に記録した自身のキャリアハイ8得点を上回る可能性が現実味を帯びてきた。プロとなって初めての二桁得点、さらには得点王も視野に入れている。7月に松本から加入したFW浅川隼人の存在も競争心を刺激し、「自分の価値を証明するのはゴールの数」と断言する。どんなボールにも対応できるよう日々シュート練習に励み、「常に準備している」その姿はプロフェッショナルそのものだ。

飽くなき向上心と勝利への意志は揺るがない。今節のカマタマーレ讃岐戦において、高木が再びネットを揺らす瞬間が待たれる。

Reported by 仲本兼進