
「多すぎですね(笑)。めちゃくちゃ嬉しいです」
そう白い歯をこぼしたのは、元ロアッソ熊本の樋口叶だ。今季のAC長野パルセイロには、熊本にゆかりのある選手が数多く在籍。練習から仲睦まじげな様子が見られる。
シーズンオフに樋口と藤川虎太朗が加入し、シーズン中にもターレスと酒井崇一が加入。いずれも同時期に赤色のユニフォームに袖を通しており、気心の知れた仲間たちだ。
今週18日には、ヴァンフォーレ甲府から村上千歩が期限付き移籍で加入。熊本県出身の24歳で、樋口とは県トレセンでチームメイトだった。
「お互いのプレーは小さい頃から知っている。良さを引き出し合って、チームを引っ張っていけるように頑張りたい」
“熊本人”が続々と長野へ――。その背景には、藤本主税監督の存在がある。
昨季まで熊本のヘッドコーチを務めた。樋口、藤川、ターレス、酒井の4人は当時の教え子にあたる。村上も熊本に練習参加した縁があり、短い間ながら指導を受けていた。
「(藤本)主税さんは自分の良さを知ってくれている。ゴールとアシストが期待されていると思うので、目に見える結果にこだわりたい」と村上。藤本監督に必要とされた彼らは、“恩師”に報いる結果を残せるか。
Reported by 田中紘夢