
慌ただしい感情とともに、復調の兆しをつかんだ。
AC長野パルセイロは前節、SC相模原に1-2と敗戦。忽那喬司は1失点目に関与したのち、すぐさま切り替えて同点弾に絡む。再び勝ち越されはしたものの、“やられたらやり返す”姿勢がチームに勇気を与えた。
まずは悔しさを味わった。55分、相手の左クロスに対し、左ウイングバックの忽那と右ウイングバックの西久保駿介が対峙。大外から入ってきたストロングヘッダーに抵抗できず、頭で仕留められてしまう。
チームとしても個人としても警戒していた形。忽那にとっては大外だけでなく、手前にも相手がいる状況だった。難しい対応を強いられたが、「あそこで一つ体を当てられるように、無理の効く守備をしないといけないのかな...」と省みる。
それでも、タダでは転ばない。67分には藤川虎太朗の右クロスに対し、大外から忽那が飛び込む。西久保の背後を突いてのヘディングはGKに弾かれるも、進昂平が詰めて同点。失点のショックを引きずることなく帳消しにした。
「クロスに入ろうとしたときに、相手の体の向きを見て『行けそうだな』という場面は何回かあった。コタ(藤川)のクロスを信じて入ったところで、言葉どおりにやり返す形で得点できてよかった」
右膝内側側副靱帯損傷から復帰して4試合目。まだまだトップフォームとは言い難く、もどかしさを抱える中で得点に関与した。チームはJ3・JFL入れ替え戦に回る可能性のある19位と苦しい状況だが、忽那の復調は希望の光となるはずだ。
Reported by 田中紘夢