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【取材ノート:神戸】26年ワールドカップ出場をめざして神戸に加入。元日本代表GKがもたらすものとは…

2025年9月24日(水)


今年6月にハンガリーのデブレツェニVSCを退団した元日本代表GKの権田修一が9月下旬にヴィッセル神戸に加入した。J1リーグやJFAの規約上、今年のリーグ戦と天皇杯には出場できない。出場機会があるのはACLEのみ。2026年ワールドカップ北中米大会の日本代表入りをめざす上では、アピールの場が限られるため不利かもしれない。それでもACLEに魅力を感じて権田は神戸にやってきた。
「クラブワールドカップでACLEに出ていたチームがマンチェスター・シティに勝った。ACLEはそういうチームが出場している舞台。ここで活躍すれば日本代表、そしてワールドカップにもつながっていくと思っている」



2022年のワールドカップカタール大会では守護神として日本のベスト16進出に貢献した。そんなキャリアを持つベテランがワールドカップへの強い想いを持って取り組む姿勢は、神戸の選手たちに良い影響をもたらすと思われる。特に前川黛也や宮代大聖、佐々木大樹、山川哲史ら次代の日本代表を背負うことを期待される逸材たちには大きな刺激になるはずだ。

前川黛也は権田の加入について「キャリアは権ちゃんの方が圧倒的ですし、僕自身が学ぶべきところがたくさんあると思っています。もちろん競争もそうですが、一番はワールドカップで守護神として戦ってきた権ちゃんからいろいろ学びたいです」と話す。ここから前川と権田がお互いをどう高め合っていくかは楽しみな要素だ。



そんな権田には神戸に来る前から気になっていた選手がいるという。9月20日の公開練習日にはその選手を呼んで2人で話すシーンもあった。山川哲史である。権田はこう話す。
「Jリーグを見ていて興味のあった選手というか…。何で、この前の東アジア(E-1選手権の日本代表)とか入んなかったんだろうなって。能力は高いし、今は神戸のキャプテンとして責任を持ってやっている。GKというポジション柄、哲(山川)だけではなくて、(マテウス)トゥーレルやカエターノらセンターバックの選手には、僕がどう思っているかを伝えないといけない。特にはじめてプレーする選手には伝えないと向こうもわからないと思うので。それで哲を呼んで話しました。(実際に会った山川哲史の印象は?)思っていたよりも背が高いんだなと(笑)。もう少し小さいのかなと思っていたので。あの身長があればもっと高いレベルでやれるのかなと思いましたし、すごく楽しみな存在です」



前川や山川だけではなく、権田がもたらす一言ひと言は選手たちに大きな影響を与えるかもしれない。そして選手が成長すれば、それがチームをさらに強くなることを意味する。試合には出られないが、ここから正念場を迎えるJ1リーグと天皇杯を戦う上で神戸は“効果的な”補強をしたと言えるかもしれない。

Reported by 白井邦彦