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【取材ノート:大宮】憧れのホームでの感慨と悔恨。ルーキー福井啓太が目指す“次”

2025年9月25日(木)


「あんなに大勢の前でプレーしたのは人生で初めてぐらい。カップ戦ではホームを味わいましたけど、それとは比べ物にならないぐらいのサポーターの方々の熱量を試合の中で感じました。それは本当に力になるんだなって、実際にやってみて思いました」

夢に見たJリーグデビューだった。すでに天皇杯で公式戦への先発出場こそ果たしていた福井啓太であったが、明治安田J2リーグ第30節FC今治戦でリーグ戦でのスタメンデビュー。それが幼い頃から憧れ続けてきたNACK5スタジアム大宮ともなれば、その思いもひとしおだ。

「ずっと憧れてた舞台でした。アカデミー時代はスタンドから見てましたし、大学の時も何回か見に行かせてもらってました。それが、今度は自分がピッチの中からスタジアムを見渡せる…感慨深いものがありました」

ただ、結果は残念なものに終わった。3バックの中央で出場したが9分、ウェズレイ タンキにボールが入ったところを抑えきれず、ポストプレーを許し先制点を奪われた。一度逆転した後の65分には、目の前でウェズレイ タンキ、梶浦勇輝とシュートを打たれ、はじき返し切ることができずに同点とされた。対応できている部分も少なくなかったが、失点場面を糾弾されるのは守備者の宿命でもある。3失点での敗戦について「センターバックの真ん中に入っている以上、自分の責任」と悔しさを隠さなかった。



うまくいかなかった要因の1つに、後押しにもなった大勢の観客があった。

「プロのリーグ戦に初めて出て、声が通らないなっていうのは改めて感じた」

コーチングの重要性を再認識し、そうした環境の中でどう伝えていくか、今後に生かしていく必要がある。

もちろん、最後の場面での強さが最重要課題であることは自覚している。「この3連敗は全部そこでやられている。もっともっと突き詰めてやっていきたい」と課題を掲げた。

村上陽介とのセンターバックコンビは、形こそ違えども2019年の大宮アルディージャU18と同じであり、その光景には懐かしさも感じた。だが、トップチームは同窓会の場ではない。チームとして、そして、もしかしたら個人としても重要な局面に立たされている。

「残りの試合、自分が勝たせるという気持ちを強く持ってやっていきたいと思います」

ルーキーが、残り試合での巻き返しを期す。


Reported by 土地将靖