Js LINK - Japan Sports LINK

Js LINKニュース

【取材ノート:大宮】5分間のエアポケット。RB大宮アルディージャは苦杯を糧に3連勝を目指す

2025年11月27日(木)
J1自動昇格戦線への生き残りを懸けた明治安田J2リーグ第37節、RB大宮アルディージャ対徳島ヴォルティス戦は、激戦の末の惜敗となった。


試合後の宮沢悠生監督は、「この徳島に2失点してしまったというところに悔しさは残る」「別に相手がすごく良かったわけではなかった」「ファールが多くてサッカーをさせてもらえなかった」と、監督就任以来初めての敗戦を、本当に悔しそうに振り返っていた。

中でも、何度も繰り返していたのが“隙”。「隙を見せた時間帯に相手に得点されてしまった」「冷静になれば、誰が行って誰がカバーリングして、というところがしっかりできていれば防げた失点」と説明する。30分、34分と立て続けに失点を許した5分間のエアポケット、いったい何が起こったのか。



最後尾の加藤有輝は、1失点目について「あそこでフリーになること自体があってはいけないこと」と指摘、「スライドさせるコーチングはしてたんですけど、声援もあって聞こえてたかどうか。まずは危ないところから、ボールサイドから守備につかせるというのを改めて徹底したいと思ってます」と今後への課題を口にした。



村上陽介は、「ボールに行けなくなった時間帯だったと思ってます。あんなに簡単に1対1になることはあまりないので、ちょっと前がかりになりすぎたかな」と、意欲が逆向きに作用してしまったことを反省した。



イヨハ理ヘンリーは、「ちゃんと話し合うことですかね。その(失点の)シーンだけじゃなく、クロスの対応とかこぼれ球とか、特に後ろの選手で詰めていくことができればよかったのかなと思います」と意思疎通を課題に挙げた。特に2失点目は、下口稚葉とイヨハの2人ともが、ボールを収めたトニー アンデルソンに向かってしまい、その外を回ってきたルーカス バルセロスをフリーにしてしまった。

「セカンドボールで下がりすぎずにボールに行こうっていうのは水戸ホーリーホック戦から意識していて、その意識がより強くなって2人が重なってしまったかなと思います」(イヨハ)

その上で、「改善できます」とも語る。

「やっぱり守備の優先順位ですね。どの選手が一番危ないかを見定めることができれば。あの(2失点目の)シーンで言えば、前向きに構えてる最後にシュートを打った選手が一番危ない。そこにまず出させない」(イヨハ)

攻守における意欲や責任感が、この日は裏目に出てしまっただけのようにも思える。勢いを削ぐことなく、もう一度基本を整理して残り試合に臨んでほしい。

自動昇格はなくなったが、「ここからあと3連勝すれば、自分たちの目標を達成できる」と宮沢監督はまったく気落ちしていない。この敗戦がここで必要なものだったのだと、後から振り返れる結果を待っている。

Reported by 土地将靖