
1人、2人と契約更新や新加入の発表が行なわれていく。新シーズンのチーム編成が少しずつ組み上がっていくのを目にするのは、この時期の楽しみである。
その一番手として発表されたのが、阿部来誠であった。育成型期限付き移籍をしていたJFL横河武蔵野FCより復帰、新シーズンは改めてRB大宮アルディージャの一戦力として働くこととなった。
U18チームからトップへ昇格した2023年以降、なかなか出場機会に恵まれず、2年半でJリーグ出場はわずか1試合(天皇杯含めカップ戦8試合)。実戦経験の場が欲しい――その思いで、初めて大宮を飛び出した。
移籍加入後のJFLリーグ戦12試合のうち、直後の1試合を除いた全11試合に出場。サイドハーフで臨んだ試合もあったが、主にボランチとして9試合に先発出場した。

「大宮では毎週公式戦に出ることなんてなかったし、やっぱり試合に出ることが純粋に嬉しい。嬉しいし、楽しいっすね」
もっとも、大宮とは違いロングボールがボランチを越えていく展開が多い。苦悩も少なくなかった。
「セカンドボールを拾うとか球際に行くとか、ボランチが真ん中で勝つことができたらチャンスは作れる、と思いながらプレーしています」
「チームとしては、相手の背後を狙うというのが一番大きい。それは当然やらなきゃいけないんで、自分がやりたいサッカーがあっても、割り切ってやることが大事かなとは思ってます。その中で求められてることは何か、自分で考えてチャンスを作る、打開するということが必要なのかなと思っています」
セットプレーでのキッカーも任されるなど、攻撃面での期待は大きかった。ゴールやアシストを連発するような、目に見える大きな貢献があったわけではない。その中で、「悔しさの違いを感じられている」とも話していた。試合に出られない悔しさから、試合で結果を出せない悔しさへ。

「何もやれてない…その変化が一番大きいかな」
出場した11試合は2勝4分け5敗。難しい戦いが多かった。苦しみながら、それでもチームのJFL残留を勝ち取った。チームとして、個人として得難い貴重な経験を積めたことは、決して小さなものではないはずだ。
新たなシーズン、“結果を出せる”阿部来誠の姿が見られることを、期待したい。