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【取材ノート:東京V】昨年の大失敗を肥やしに。「年男」内田陽介は前へ前へと駆け上がる

2026年1月22日(木)
午(うま)年となる2026年、24歳を迎える「年男」内田陽介に注目してみたい。

明治大学から加入した1年目の昨季は、決して順風満帆ではなかった。特に序盤戦はほとんど試合には絡めず、初出場の機会は9月15日J1第29節のFC東京戦まで訪れなかった。だが、『東京ダービー』という大きな舞台で75分から出場した内田は、豊富な運動量と精度の高いクロスで存在感を示し、第31節のヴィッセル神戸戦からは最終節まで8試合連続でスタメン出場を勝ち取った。その台頭は、チーム屈指の成長株だったといっても過言ではない。

ただ、内田自身に達成感は皆無だという。むしろ「最後の方は試合に出る回数も増えて、スタメンで出られてはいましたが、自分の中では危機感の方が大きくて…」と表情をこわばらせる。その危機感の大きな原因の1つが、11月30日のホーム最終戦、第37節鹿島アントラーズ戦でのパスミスだった。0-0で迎えた73分、中盤右サイドでパスを受けたMF内田陽介が出したバックパスが、相手選手の足元へ渡り、それが決勝点へとつながってしまった。


「あの失点シーンのところに、僕の課題がもろに出て。普段通り前につければいいところを、後ろを見てしまった。つまり、前の意識というのが普段の練習から習慣化されてなかったということ。そこを今年はしっかりと徹底していきたい」

教訓を糧に成長を誓う。

当然、収穫もあった。

「シンプルに、経験そのものとしては大きな収穫だったと思っています。特に公式戦の試合感(勘)というのは、去年10試合出場して得られたものだなと思っています」

また、自信がついたことも確かだ。東京ヴェルディに加入し、日々のトレーニングや『エクストラ』と称される試合メンバー以外の選手による追加トレーニングを積み重ねた中で、技術もメンタルも大きく鍛えられた。

「ヴェルディは、自分と向き合えるチームだなと思っています。特にエクストラの練習は本当にきつい。でも、そのつらいこと、きついことから、逃げるのは簡単ですが、そこをどうやって自分と向き合うか。ものすごく大事なことを学んでいると思っています。それに、ヴェルディというチームは、みんなが自分だけじゃなくて、チームのためにやっているチーム。そこも大きな魅力だと思っています」

Jリーグの秋春制への移行を前に、2月から6月まで開催される「明治安田J1百年構想リーグ」での目標は、「結果」だと内田はきっぱり言い切った。「ハーフシーズン、開幕から試合に出られるかもわからないですが、とにかく試合に出続けることと、自分の特長でもある積極的に前に出て行くプレーでゴール、アシストという目に見える数字でチームに貢献したい」と燃える。昨季は、運動量とクロスの精度の高さは示したが、得点には直接つなげることができなかった。

「もっとクロスの精度を上げて、アシストやゴールが決められれば、もっともっと乗っていけると思っています」

「年男」については、周囲から言われることも少なくないため、「あんまり意識しないようにしています」と苦笑する。

とはいえ、今年は60年に一度の「丙午」。「火の力が強い」との迷信にあやかり、パワフルで縦横無尽に前へと駆け上がる内田の姿を期待している。

Reported by 上岡真里江