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【取材ノート:今治】ブラジルからの新たな翼、ガブリエル ゴメスが飛躍を誓う

2026年2月13日(金)


明治安田J2・J3百年構想リーグの開幕戦、FC今治対ツエーゲン金沢戦が行われた2月8日。14時3分のキックオフを前に、今治のホーム、アシックス里山スタジアムのメインスタンド上段にある記者席から瀬戸内海の島々がきれいに見えた。このスタジアムは本当に眺望がすばらしい。冬の冷たく澄んだ空気感。

ところが、あれよあれよという間に白く煙っていく。ハーフタイムを待たずに、雪が舞い踊る荒天になった。公式記録での気温は1.3度だが、体感的には余裕で氷点下だっただろう。

冬でも温暖な愛媛、今治を想像されるかもしれない。確かにそれも間違いではないのだが、日本海の冷たい風が中国山地を越え、はるか北西の関門海峡を通り抜けて吹き込むとき、この日のような寒さとなる。

チーム始動後に合流し、今治の一員となってまだ1カ月も経たない左利きのブラジル人DFガブリエル ゴメスは、ウクライナのチームでのプレー経験もあって、「雪を見たのは初めてじゃないよ。だけど、今日のようなコンディションでプレーするのは、やっぱり難しいね」と、3バックの左センターバックとしてフル出場した金沢との90分+PK戦を振り返った。


雪や冷たい強風以上に難しさを感じたのは、プレーしたそのポジションかもしれない。

「4バックではなく、3バックでのプレーにあまり慣れていないんだ。それにチームメートとのコミュニケーションが深まるのもこれからだし」の言葉の通り、修正するポイントはいろいろあるとデビュー戦を捉えている。

187cmの長身ながら、スピードを生かしてサイドバックとしてもプレーする。金沢戦でも機動力を垣間見せそうな瞬間があったが、3バックの一角に挑戦中ということで、本領発揮はこれからになるだろう。

「うれしいデビュー戦になったよ。チームのテーマの一つである失点ゼロに抑えることができたし。修正すべきは修正して、次はしっかりチームでゴールを取って、90分で勝ちたいね」

開幕戦の姿が完成形でないことは十分に承知している。やるべきことを、一つずつ。その取り組みが、道を切り開く。

「徐々に良くなっていくものだから。それとともに、自分たち今治のディフェンスが相手を驚かせるようなものになっていくと思う」

守備のタスクをしっかりこなせるのは大前提として、驚かせるポイントの一つが、高精度の左足からのロングフィード。金沢戦で3バックの中央を務めた、同じく新加入の孫大河の左足キックとともに、今季の今治において頼もしい長距離砲になりそうだ。

さらにスコアレスドローで90分を終えてのPK戦で3人目のキッカーとして登場し、ゴール右下隅に冷静に決めてみせた。

「しっかり練習し、準備してきたからね。蹴るかどうか、あとは監督次第。蹴る自信は全然あるよ」

クラブにとって初めてのJ2の戦いに臨み、11位でフィニッシュした昨シーズン。オフには最終ラインの主力だったダニーロ、加藤徹也、大森理生の3人全員がチームを去った。チームを率いて2年目の倉石圭二監督の下、大掛かりなチームの再構築は始まったばかり。新たなブラジルの翼が、躍動する準備を着々と進めている。

Reported by 大中祐二