Js LINK - Japan Sports LINK

Js LINKニュース

【取材ノート:琉球】静かな炎――茂木駿佑の誓い

2026年2月19日(木)


沖縄の空気の中でFC琉球の茂木駿佑は静かに、しかし確実にギアを上げようとしている。

始動から1ヶ月半ば。本人は「コンディションを上げていくための順序は順調に踏めています。もう一歩上にギアを上げられるかなっていう感覚はあります」と語る。
もっとも完全に無風ではない。「みんながコンディション上がってきて、試合をこなしていくとやっぱちょっとした焦りみたいなのは出てきますよね」。ポジション争いの「しびれ」は確かに感じている。それでも「今やれることを、順調に」と繰り返す姿勢は、経験を積んだからこその落ち着きだ。

昨季はJ3リーグ16位に終わり、その悔しさは今も胸に残っている。
「チームとしても個人としても、やることが明確になっている」からこそ今季は「それを継続しつつ、よりパワーアップしたところを見せたい」と語る。何よりも強調したのが数字の部分。
「ゴールだったりアシストだったり、見えるところでよりこだわっていきたい」。
曖昧な貢献ではなく結果で示す。昨年を知る選手として「チームを引っ張っていくところは意識している」と自覚も口にした。

平川忠亮監督から求められていることも明確だ。
「シュートで終わってこい、クロスで終わってこいって毎試合言われますし、自分もそう思っています」。
途中出場でもスタメンでも、攻撃に関わり切る責任は変わらない。ゴールとアシスト、どちらが増えそうかという問いには「クロスは自信あるんでアシストですかね」と即答。ただ、相手が縦を警戒すれば「中に切り込むとか、シュートとか、選択肢はいっぱい持つようにしたい」という。クロスを武器にしながらも、それ一辺倒では終わらない。



今季のFW陣については「誰が出てもそれぞれ特徴を持ってますよね。どんなFWでも点は取れると思うし、あとは僕の質次第」ときっぱり言う。また、昨季終盤に見せた思い切りのいいシュートを念頭に「両足で蹴れる武器があるから、そういうシーンも見せられたら」とも話す。

百年構想リーグでJ2勢と対戦できる機会は「成長できるチャンス」と前向きに捉えつつ、「相手がJ2だから負けて大丈夫とか、そういうのでもない」と言い切る。特に九州勢との対戦には「本能的に負けられない」。「元々は帰るべき場所だと思ってるんで」。
J2の舞台は挑戦の場であると同時に、取り戻すべき場所でもある。

「数字で見せたい」。その言葉は決して大声ではなかったが、芯は強い。クロスという武器を研ぎ澄ましながら新たな刃も仕込む。今季の茂木駿佑はただ美しい軌道を描くだけでなく、結果という形で琉球の未来を切り拓こうとしている。

Reported by 仲本兼進