東京ヴェルディが開幕から好調だ。
明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド4試合を終え、東京Vは開幕3連勝。水戸ホーリーホックとの開幕戦を3-1で制して2024年にJ1復帰して以来開幕戦初勝利を飾ると、第2節の柏レイソル戦では劣勢且つ0-1のビハインドから後半の選手交代を機に流れを変え、染野唯月、福田湧矢のゴールで逆転勝利。前節のFC町田ゼルビア戦も、セットプレーから2失点する0-2の苦しい状況から、後半終了間際に山見大登、吉田泰授の連弾で2-2に追いつき、PK戦を4-3で制して3連勝を飾った。4戦目の横浜F・マリノス戦は、前半終了間際と後半の立ち上がりにたたみかけられ3失点したが、試合終盤の69分に山見大登のクロスを白井亮丞が頭に当てて弾いたボールを染野唯月が頭で押し込んで1点を返し、さらにアディショナルタイムに吉田泰授が圧巻の直接フリーキックを決め2点3-2まで追い上げた。
そんなチームの粘り強さを演出しているのが、途中交代で投入される選手たちの存在である。2023年にJ1昇格を果たし、昇格1年目ながら2024年シーズンで6位という好成績を残したチームの最大の武器となり、今も変わらず城福浩監督が標榜し続けてきている「ピッチに立った全員が最初からフルパワーを出し切り、バトンをつないでいく」という戦い方が、今季はしっかりと実を結んでいる。
その中で、今後楽しみにしたいのが山本丈偉である。第3節、第4節はベンチ入りはしたものの出番はなかった。しかし、リーグ戦デビューとなった開幕戦、第2節と2試合連続出場。それぞれ後半からの16分間、14分間と出場時間は決して長くはなかったが、東京Vの中で「ヘソ」とよばれるチームの心臓・ボランチの位置で起用され、交代した森田晃樹、齋藤功佑の抜けた影響を感じさせないハイ・パフォーマンスでチームの勝利に貢献した。その堂々としたプレーぶりはひときわ目を引いた。
山本は、自身が高校3年生の年代の2024年に東京Vユースからトップ昇格を果たしたアカデミー生え抜き選手だ。身長187cmの長身に恵まれ、卓越した技術と広い視野でゲームをコントロールし、守備力にも長けるそのポテンシャルに将来を嘱望されているが、昨季までの過去2シーズンはルヴァンカップ2試合、天皇杯2試合の出場のみにとどまっていた。
「焦りは当然ありました」という。だが、リーグ戦出場への思いをたぎらせながらも、日々のトレーニングや全体練習後に行われる試合メンバー外での強度の高い追加メニューで全力を出し尽くす中で、着実な成長を遂げてきた。その手応えこそが山本の支えとなっていた。
もう1つ自信となっているのが、今季のキャンプからチームが徹底的に取り組み続けている「走り」のトレーニングだという。山本の計測値は常にチーム上位のランキングを誇っている。「走れていることで、日頃の練習から自分の体がよく動いている感覚もありますし、コンディションも常に良い。その自信がプレーに繋がっているかもしれないです」
実際、出場した2試合では、自らボールを受けに行き、前を向いて攻撃的なボール運びをする積極的な姿勢が随所で見られた。
「去年のカップ戦で試合に出た時よりも、手応えは少しあります。もちろん、まだまだ『できている』とは言えないですが、自分主導でサッカーをする。自分がいっぱいボールを触ってチームを動かすというところの自信は、去年よりあると思います」
GKマテウスも、山本が2試合で見せた成長ぶりを絶賛する。
「途中からの出場にもかかわらず、勇気をもってボールを受けに来る姿勢はすごくよかったと思います。まだ19歳の若い選手ですが、GKの立場からすれば、本当にボールを受けたがっている選手と、そうでない選手というのはすぐにわかる。その中で、丈偉は本当に出場した2試合、自分から勇気と自信をもって受けに来ていた。いま、チームがなかなか補強ができていない中で、アカデミーから上がった選手や大卒の選手の成長は必要不可欠。その意味でも、丈偉のように若い選手が成長を示してくれたことは、チームにとってもものすごく大事なことだと思う」
森田晃樹主将もまた、森田らしい表現で山本のポテンシャルに太鼓判を押した。
「去年まではたまたま出場機会が巡ってこなかっただけで、僕の中では、そこまで大きく成長したという感じではないかなぁと。あいつはもともと技術も高いし、ポテンシャルもある。ハードワークもできるし、自信を持ってボールを受けられる選手なので、僕としては、去年とかも出番さえあれば普通に今みたいに落ち着いてプレーしていたと思います」
山本自身も、「ボランチの選手として、ボールを受けに行く自信がなくなったら、本当に意味がないと思います。真ん中で勇気をもってプレーすることが今のヴェルディのサッカーにつながってくると思うので、これからも、勇気持ってプレーしていきたい」と話す。
普段のリーグ戦と違い、今大会は特別大会となっているが、それでもJ1の強豪チームとの猛者たちとの対戦は格別だ。
「カップ戦とは緊張感も全然違いますが、ピッチに入ったらすごく楽しいです。2試合に出て、試合に出ること、そしてその試合で勝つことが、サッカー選手として本当に幸せだなと改めて感じました。もっともっと試合に出て、ゴール前に入って行ってスルーパスを出すなどしてのアシストや、自分はロングシュートも持っているので、そういうゴールに直結するプレーをもっと出してチームの力になっていきたいです」と充実の表情を見せる。
またひとり、『東京ヴェルディ産』の逸材が蕾を膨らませはじめている。いつ、どのタイミングで、どのような大輪の花を咲かせるか。その過程を見られる楽しみは、また格別だ。
Reported by 上岡真里江
明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド4試合を終え、東京Vは開幕3連勝。水戸ホーリーホックとの開幕戦を3-1で制して2024年にJ1復帰して以来開幕戦初勝利を飾ると、第2節の柏レイソル戦では劣勢且つ0-1のビハインドから後半の選手交代を機に流れを変え、染野唯月、福田湧矢のゴールで逆転勝利。前節のFC町田ゼルビア戦も、セットプレーから2失点する0-2の苦しい状況から、後半終了間際に山見大登、吉田泰授の連弾で2-2に追いつき、PK戦を4-3で制して3連勝を飾った。4戦目の横浜F・マリノス戦は、前半終了間際と後半の立ち上がりにたたみかけられ3失点したが、試合終盤の69分に山見大登のクロスを白井亮丞が頭に当てて弾いたボールを染野唯月が頭で押し込んで1点を返し、さらにアディショナルタイムに吉田泰授が圧巻の直接フリーキックを決め2点3-2まで追い上げた。
そんなチームの粘り強さを演出しているのが、途中交代で投入される選手たちの存在である。2023年にJ1昇格を果たし、昇格1年目ながら2024年シーズンで6位という好成績を残したチームの最大の武器となり、今も変わらず城福浩監督が標榜し続けてきている「ピッチに立った全員が最初からフルパワーを出し切り、バトンをつないでいく」という戦い方が、今季はしっかりと実を結んでいる。
その中で、今後楽しみにしたいのが山本丈偉である。第3節、第4節はベンチ入りはしたものの出番はなかった。しかし、リーグ戦デビューとなった開幕戦、第2節と2試合連続出場。それぞれ後半からの16分間、14分間と出場時間は決して長くはなかったが、東京Vの中で「ヘソ」とよばれるチームの心臓・ボランチの位置で起用され、交代した森田晃樹、齋藤功佑の抜けた影響を感じさせないハイ・パフォーマンスでチームの勝利に貢献した。その堂々としたプレーぶりはひときわ目を引いた。
山本は、自身が高校3年生の年代の2024年に東京Vユースからトップ昇格を果たしたアカデミー生え抜き選手だ。身長187cmの長身に恵まれ、卓越した技術と広い視野でゲームをコントロールし、守備力にも長けるそのポテンシャルに将来を嘱望されているが、昨季までの過去2シーズンはルヴァンカップ2試合、天皇杯2試合の出場のみにとどまっていた。
「焦りは当然ありました」という。だが、リーグ戦出場への思いをたぎらせながらも、日々のトレーニングや全体練習後に行われる試合メンバー外での強度の高い追加メニューで全力を出し尽くす中で、着実な成長を遂げてきた。その手応えこそが山本の支えとなっていた。
もう1つ自信となっているのが、今季のキャンプからチームが徹底的に取り組み続けている「走り」のトレーニングだという。山本の計測値は常にチーム上位のランキングを誇っている。「走れていることで、日頃の練習から自分の体がよく動いている感覚もありますし、コンディションも常に良い。その自信がプレーに繋がっているかもしれないです」
実際、出場した2試合では、自らボールを受けに行き、前を向いて攻撃的なボール運びをする積極的な姿勢が随所で見られた。
「去年のカップ戦で試合に出た時よりも、手応えは少しあります。もちろん、まだまだ『できている』とは言えないですが、自分主導でサッカーをする。自分がいっぱいボールを触ってチームを動かすというところの自信は、去年よりあると思います」
GKマテウスも、山本が2試合で見せた成長ぶりを絶賛する。
「途中からの出場にもかかわらず、勇気をもってボールを受けに来る姿勢はすごくよかったと思います。まだ19歳の若い選手ですが、GKの立場からすれば、本当にボールを受けたがっている選手と、そうでない選手というのはすぐにわかる。その中で、丈偉は本当に出場した2試合、自分から勇気と自信をもって受けに来ていた。いま、チームがなかなか補強ができていない中で、アカデミーから上がった選手や大卒の選手の成長は必要不可欠。その意味でも、丈偉のように若い選手が成長を示してくれたことは、チームにとってもものすごく大事なことだと思う」
森田晃樹主将もまた、森田らしい表現で山本のポテンシャルに太鼓判を押した。
「去年まではたまたま出場機会が巡ってこなかっただけで、僕の中では、そこまで大きく成長したという感じではないかなぁと。あいつはもともと技術も高いし、ポテンシャルもある。ハードワークもできるし、自信を持ってボールを受けられる選手なので、僕としては、去年とかも出番さえあれば普通に今みたいに落ち着いてプレーしていたと思います」
山本自身も、「ボランチの選手として、ボールを受けに行く自信がなくなったら、本当に意味がないと思います。真ん中で勇気をもってプレーすることが今のヴェルディのサッカーにつながってくると思うので、これからも、勇気持ってプレーしていきたい」と話す。
普段のリーグ戦と違い、今大会は特別大会となっているが、それでもJ1の強豪チームとの猛者たちとの対戦は格別だ。
「カップ戦とは緊張感も全然違いますが、ピッチに入ったらすごく楽しいです。2試合に出て、試合に出ること、そしてその試合で勝つことが、サッカー選手として本当に幸せだなと改めて感じました。もっともっと試合に出て、ゴール前に入って行ってスルーパスを出すなどしてのアシストや、自分はロングシュートも持っているので、そういうゴールに直結するプレーをもっと出してチームの力になっていきたいです」と充実の表情を見せる。
またひとり、『東京ヴェルディ産』の逸材が蕾を膨らませはじめている。いつ、どのタイミングで、どのような大輪の花を咲かせるか。その過程を見られる楽しみは、また格別だ。
Reported by 上岡真里江