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【取材ノート:琉球】高木大輔が揺らす、琉球の空気

2026年3月6日(金)


今季公式戦、3試合途中出場でプレー時間は計70分。与えられた役割は試合の流れを変えるための限定的なものかもしれない。しかし彼がピッチに足を踏み入れた瞬間、数字では計り知れない強固な意志が宿り、停滞していた空気が一変する。今の琉球が渇望しているのは、チームを鼓舞しゴールへ向かう高木大輔の熱と迫力そのものだ。

前節の宮崎戦、後半開始と同時に投入された高木は、最前線で体を張り続けて相手のファウルを誘い、セットプレーのチャンスを創出。目の覚めるようなボレーシュートも放ち、誰よりもゴールに飢えていた。スタメンを外れている現状を真正面から受け止め、その悔しさを走るエネルギーへと変える。「何かを残してやろう」という覚悟がプレーに滲み出るその姿に、平川忠亮監督も「自分らしさを出してくれた」と奮闘を称えた。

しかし0-2で宮崎に敗れた琉球は、明治安田J2・J3百年構想リーグで10チーム中8位に沈んでいる。PK戦での勝利は2つあるものの、90分での白星はいまだゼロ。連敗だけは絶対に避けなければならない状況の中、高木大輔の存在感がより一層求められる。



「コンディションは確実に上がっている。あとはゴールで証明するだけ」

途中出場という限られた時間の中でも、高木はチームに勝利への執念を注入しようとしている。ゴールへの最短距離を貪欲に突き進む姿が、チームを再び突き動かす原動力となるはずだ。

今週、琉球はアウェイで鳥取と対戦する。鳥取の地は高木にとってポジティブな記憶が刻まれた場所だ。昨年のアウェイ戦で途中出場した際に「自分の中でちょっといい感覚を掴んだ」といい、その手応えが直後の鹿児島戦での昨季初ゴールへとつながった。

「そろそろ何かを残さないと。苦しい時にこそ、あいつを使えば何かしてくれるという勝負強さを見せたい」

鳥取戦の先には、古巣・山口との一戦も控えている。計5シーズン在籍し、深い愛着を持つクラブを前に、高木はまず目前の戦いに集中する。



「山口戦に良いコンディションで臨むためにも、鳥取に勝って勢いをつけたい」

苦しい時こそ、高木大輔である。泥にまみれてゴールへ飛び込み、ネットを揺らしたとき、チームの空気は必ず変わる。

Reported by 仲本兼進