
アウェイ連戦、四国サッカー遍路と銘打たれた隣県ダービーでもあるJ2・J3百年構想リーグ第6節・高知ユナイテッドSC戦で、10番が3試合ぶりにメンバー入りを果たした。交代出場したのは79分のことである。
FC今治としては3連勝と好調で上位の高知をきっちり叩いて、連敗を2で断ち切り、勢いづくべき一戦であったが、ピッチに入る時点で0-1とリードを許していた。前半、集中を欠いた守備対応から先制されるという手痛い“授業料”を、チームはすでに払っていたのだ。
プレー時間はアディショナルタイムを含め、15分あまり。限られた時間ながら、明らかに今治の流れへと変わり、強まった。たちまち交代直後の80分には、右からカットインしてきた梅木怜のパスを右足ヒールのワンタッチで軸足の外を通すスルーパスに変え、林誠道がGKと1対1になるビッグチャンスを作り出した。
「流れが変わったのは、チームとしても自分としても、とてもポジティブなことです。こうしてプレーできる選手、試合に出られる選手が増えることが、チームのパワー向上にもつながります」
だが、林のシュートはGKに阻まれ、ゴールならず。逆に85分、またもやルーズな守備対応からロングシュートを放たれ、与える必要のない無用な失点を喫して0-2に。このままスコアは動かず、チームは3連敗となった。
「こういう現実ですけど、また練習から頑張って、しっかりと進化して、結果を出せるようになりたいです」
チームは連敗中の3試合、いずれもノーゴールに終わっている。勝つためにゴールは不可欠。そしてそれは、一つでも多くチャンスを作り出すことが不可分だ。10番を背負うそのプレーは、チームに今、求められていることを端的に示していた。
「意識したのは攻撃の厚みを増すことです。ボールをキープし、チームメートにプレーの選択肢を与えたかったので。交代するまで外から見ていた感じでは、自分たちの方がボール保持率は高く、相手陣内でプレーする時間も長かった。だから、なおさら攻勢を強めたかったんです」
V・ファーレン長崎から完全移籍で加入した今治での先発2試合目。チームが初めて90分で勝利を収めた第3節・FC大阪戦でも、相手3人を引き付けておいて、技ありのパスを梅木に通し、ゴールの伏線とした。
存在感を強く印象付けながら、続く2試合はメンバー外に。高知戦を前に倉石圭二監督は、「少しずつだが良くなっている。悪くなってはいない」とコンディションの問題を示唆していた。高知戦での10分プラス・アディショナルタイムのプレーぶりを見れば、ピッチ上の時間がもっと長くなることを期待するばかり。コンディション的に、まだ難しいのだろうか?
「今日に関しては、時間は限られたものでしたが、出られたことが本当にいいことでした。大変だったのは、今日までの時間です。(復帰のために)すごく頑張ってきた。たった10分と少しの時間でしたけど、しっかりプレーできたし、ここからもっと良くなり、成長するために、コンディションを上げていきます」
実績も実力も十分な10番は、チームが苦しむ今の流れを変え、上昇気流に乗るために、率直かつ明確に誓う。
Reported by 大中祐二