
「負けたくない思いはある。やられる前にやりたい」
明治安田J2・J3百年構想リーグ第6節、ホームでの信州ダービー。AC長野パルセイロの藤川虎太朗が敵対心を燃やしたのは、今季から松本山雅FCに加わった小田逸稀だ。
サガン鳥栖アカデミーと東福岡高校の同級生対決。小田が先に2点に絡んだ一方で、藤川も引き下がるわけにはいかない。0-5で勝負は決まったも同然だったが、73分に意地の張り合いが見られた。
対角のロングフィードから、左サイドで藤川と小田の競り合い。藤川は先に体をぶつけて優位性を確保し、小田が得意とする空中戦に持ち込ませない。胸トラップでボールを収めると、小田も負けじと食らいついてきたが、再び体をぶつけて死守する。最後は倒されてファウルを得た。
「やられる前にやる」――。スコア上は先にやられはしたものの、マッチアップではやられなかった。ファウルの直後には、健闘を称え合うようにハイタッチ。ダービーらしい激しさと、互いのプライドが垣間見えた。
チームは0-5でまさかの大敗。キャプテンの藤川は「一瞬の隙だったり、一歩の寄せだったり…。本当に細かいところだけど、もう一回足元を見つめ直して練習したい」と言葉を絞り出す。孤軍奮闘の男を先頭に、リバウンドメンタリティが問われるフェーズだ。
Reported by 田中紘夢