
昨季からPK戦も含めて13連敗と苦しんだAC長野パルセイロだが、明治安田J2・J3百年構想リーグ第9節で藤枝MYFCに2-0と勝利。長いトンネルを抜け出し、ようやく光が差し込んだ。
「みんな泣いてたけど、牧野が泣いてなかったのはおかしいなって。この間はあんな泣いてたのに…」
そう笑みをこぼしたのは、チーム最年長の近藤貴司。彼が言う「この間」とは、1-5と大敗した第8節・FC岐阜戦のことだ。
岐阜戦では大卒2年目のGK牧野がプロ初先発となったが、前後半ともに致命的なミスから失点。試合後にはサポーターの前で悔し涙を流し、激励の声と励ましのコールを受けた。
そんな彼がリベンジも込めて臨んだのが、今節の藤枝戦。「サポーターの皆さんが待っている勝利というところで、自分が責任を負わないといけない」と決意を改めていた。
結果は2-0。開始早々のセーブで波に乗ると、クロス対応でも安定感を示し、無失点に大きく貢献した。個人としてはプロ初勝利で、チームとしても昨季から14試合ぶりの白星だ。試合後にはサポーターの前で嬉し涙を流す選手もいたが、牧野はグッと堪えていた。
「ゴール裏に行ったときに思いを伝えてもらって感極まった。達成感もあったけど、皆さんの笑顔が見たくてやっていたので、ちょっと我慢しようかなと…」
彼が本当に見たいのは、嬉し涙ではない。「ずっと支えてくれたサポーターの皆さんに笑顔になってほしい」と言うように、隅々まで晴れやかな表情であふれた景色だ。その望みを現実に変えるためにも、地に足をつけて鍛錬を積んでいく。
Reported by 田中紘夢