
「高校生のときに初めて出会って、ずっとこの舞台でやろうと話していた。32歳の年で初対戦というのもなかなかないことだと思う」
AC長野パルセイロの附木雄也は、八千代高校の同級生との対決に感慨深げだった。
明治安田J2・J3リーグ百年構想リーグのプレーオフラウンド第1戦。相手の栃木SCをキャプテンとして率いる柳育崇は、高校時代から切磋琢磨してきた間柄だ。プロ入り後はカテゴリーの違いからピッチで再会する機会はなかったが、特別なシーズンで13年ぶりの顔合わせが実現した。
試合は前後半を終えてスコアレスで延長戦へ。附木は途中交代した藤川虎太朗からキャプテンマークを引き継いでおり、柳とのコイントスに臨んだ。肩を抱き合う姿は絆の強さを物語っていたが、キックオフ前に柳がまさかの交代。附木は「気づいたら交代していた」と笑い、試合後には「お前コイントスだけ来たんか!」とツッコミを入れたという。
そんな附木も同様に、気づいたらいなくなっていた。延長戦でもスコアは動かずPK戦に突入。「PKには自信がある」と豪語する附木だが、試合中に足首を痛めてメンバーから外れてしまう。「蹴りたかった」と悔やみながらも、チームが勝利して喜びを爆発させた。
念願の同級生対決を制すと、第2戦はカマタマーレ讃岐との古巣戦に決まった。昨季まで本拠地としていた四国化成MEGLIOスタジアムでの今季最終戦。中4日でのアウェイ2連戦と過酷なスケジュールだが、「連戦どうこうは気にしていないし、嬉しい気持ちだけ」と白い歯を見せる。特別なシーズンを最後まで存分に楽しむつもりだ。
Reported by 田中紘夢