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【取材ノート:清水】最長著しい19歳のアタッカー、嶋本悠大。U-21日本代表で見せたい「変わった自分」とは

2026年6月4日(木)
いよいよプレーオフ第2戦を残すだけとなった明治安田J1百年構想リーグ。新体制で挑んだ清水エスパルスの中で、もっとも成長が目立った若手といえば、誰もが19歳のMF・嶋本悠大の名前を挙げるだろう。

新境地を開いたシャドーでの起用

今年1月はU-23アジアカップの代表に選出され、交代出場が多かった中でも優勝に貢献。ただ、清水への合流が開幕直前になったこともあって、百年構想リーグでは9試合目まで交代出場が2回だけと悔しい時期も過ごした。だが、11節・神戸戦(前倒しで行なわれた9戦目)で好プレーを見せて、次の9節・長崎戦で今季初先発を勝ち取り、開始4分に井上健太の右クロスに頭で合わせて、嬉しいプロ初ゴールを決めてみせた。

これで自信と信頼を得た嶋本は、以降はプレーオフ第1戦も含めて10試合連続先発出場。13節・長崎戦と14節・京都戦では2試合連続でゴールを決め、チーム内ではオ セフン(7得点)に次ぐ3得点を挙げた。
そんな中で、3月のU-21日本代表 韓国遠征には選ばれなかったが、5月のU-21日本代表 オーストリア・スロベニア遠征には選出され、「自分がどこのポジションをやるのかわからないですけど、ボランチだったらボランチでしっかり頑張りたいし、今のポジションで出させてもらえたら、変わった自分を見せられるように頑張りたいです」と嶋本は語った。

その「今のポジション」とは、シャドーやインサイドハーフと呼ばれる1.5列目の位置だ。高校時代や以前の代表活動ではボランチが主戦場で、どちらかというとゲームを作る役割、周りを「使う側」の選手だった。だが今は、直接的にゴールに関わる役割、どちらかというと「使われる側」の選手として高いパフォーマンスを見せている。
オフ・ザ・ボールの動きや裏に動き出す動きも非常に良くなり、わずかでもチャンスがあれば貪欲にシュートを狙う姿勢も出てきた。そこが「変わった自分」と言う部分だ。その点について、彼は次のように語る。

「高校時代までは使われる側ではなかったので、そこは清水に来てから身に付いたものだと思います。オフの動きというのはかなり意識して取り組んでいますし、今は自分の考えよりも上の考えやイメージを持ってる選手がたくさんいるので、それにも合わせられるようになってきたと思います」(嶋本)

そうした動き出しに関して吉田孝行監督は、「それは嶋本だけじゃなくてチーム全体で求めていることですし、彼は自分の個性も生かしながら、その面でもすごく成長しています。19歳にしては落ち着いてるし、戦術理解も高いし、19歳とは思えないほどのパワーを持っていて、そこは伸びしろというかポテンシャルだと思うので、どんどん伸ばしていければと思っています」とさらなる成長に期待を寄せる。

「オレがやってやる」という気持ちが

もちろん、嶋本自身も想いは同じ。スタメンを重ねる中で自信も深まり、成長意欲はより高まっている。

「今は自信がついてきたのが大きいと思います。高校時代にできていたプレーがプロの試合でもできるようになってきましたし、もっと上を目指せるように、その回数を重ねていきたいです。ボールを受けた時に『オレがやってやる』という気持ちが以前より断然強くなりましたし、まずはシュートを考えるようになりました。アイデアの順番というか優先順位は、ゴールに直結する順から考えられるようになったと思います」(嶋本)

足下の技術だけでなく、180cm/73kgと体格にも恵まれ、身体の強さも特徴のひとつ。プレッシャーをかけられてもボールを保持してゲームを作ることもできるし、チャンスメイクも自ら点を決めることもできる。スケールの大きな現代的MFとして、今後の伸びしろが楽しみでしかないが、本人は原点の部分にもしっかりと目を向けている。

「がむしゃらさというのは(監督やコーチから)『忘れるな』とずっと言ってもらっているので、そのがむしゃらさだけは絶対に忘れずにやっていきたいです。それで自分のプレーも出したいと思っています」(嶋本)

清水サポーターにとっては、プレーオフ第2戦で彼のプレーを見られないのは少々残念だろうが、U-21日本代表の試合で1月までとは違った姿を見せることは、それを上回る楽しみになるはずだ。

Reported by 前島芳雄