
背番号2。数多くの背番号がある中、1999年のJ2参画以降30年近くが経とうとする中、背負った選手の数がわずかに3人というのも極めて稀有なナンバーである。
最初の選手は、ミスターアルディージャとも呼ばれたセンターバック、奥野誠一郎氏。奥野氏が現役を退いた翌2008年からは、塚本泰史氏がルーキーながら託された。塚本氏が右足骨肉腫で現役引退を強いられた後、その塚本氏と高校大学で同級生だった菊地光将氏が2012年に大宮へ移籍すると、塚本氏のたっての希望でその番号を受け継いだ。菊地氏は2019年いっぱいで大宮を退団、以降は空き番号となっていたが、それはその番号の重みゆえである。
そこへ、今季2026/27シーズン、村上陽介が手を挙げた。
「自分から、着けますって言いました。そうしたらクラブも、いいよって」
もちろん、菊地氏の“了解”も得た。現在クラブでスカウトを務める菊地氏は「今までずっと空いてて、誰も着けないなと思ってた。お前が着けてくれるなら」と快諾したと言う。晴れて“襲名”は完了した。

2017年から大宮アルディージャU18で育った村上にとってみれば、その背番号の意味はよくわかっている。当時、J2降格からJ1復帰へ苦闘していた菊地氏のプレーはその目に焼き付いていることだろう。
「重いというか、伝統のある番号だとは分かってた」
だからこそ、自身も勝負の年と位置付ける今シーズン、その重責を買って出たのだろう。
「着けさせてもらって言うのもなんですけど、背番号がプレーするわけではないので、やることは変わらないと思ってるんですよ。急に上手くなるわけでもないですし。ただ、この番号を着ける以上、期待も感じるし責任ももちろん感じるので、プレーでしっかり示していきたい。あとはもうJ1昇格という結果がこの番号を着けたすべての意味を示すと思うので、そこに尽きるかなと思います」
「今シーズンがラストチャンスぐらいの気持ちでやらないと。何回も逃してるようではJ1に行けないし、個人としてもここで貢献しないともう上には行けないと思うんで、自分自身に対しても責任がすごくのしかかってると思うし、そういう意味もありますかね」

そして、こう続けた。
「キク(菊地氏)さんとか(塚本)泰史さんとか(石川)俊輝くんとか、そういう人が受け継いできた魂みたいなものは、今はアカデミーの子たちがたくさん上がってきてるんで、彼らにも伝えていきたいですね」
くしくも、過去の背番号2は塚本氏を除く2名ともがキャプテンを務めていた。村上にも、と望むわけではないが、そうした心持ちで、しかし、あまり背負い込み過ぎずに、日々臨んでほしい。
Reported by 土地将靖