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【取材ノート:神戸】エース大迫勇也の調子が上向き。リーグ戦3試合連続でゴール中

2022年7月28日(木)
エース大迫勇也が輝きを取り戻しつつある。明治安田生命J1リーグ第20節の清水戦では終了間際に劇的な決勝ゴールを挙げ、続く第21節の磐田戦でも76分に決めた先制点が決勝点となった。直近の第22節・鹿島戦では古巣を相手に貴重な先制点も決めている。これでリーグ戦3試合連続ゴール中。今季のトータルスコアはチームトップの武藤嘉紀(5得点)に次ぐ4得点となった。調子は上々だ。

昨季途中に神戸に加入した大迫は、約7年ぶりのJリーグで抜群の存在感を放った。故障を抱えた中でも4得点・4アシストの結果を残し、クラブ史上最高のリーグ戦3位に大きく貢献してみせた。

だが、今季は世界水準のポストプレーでスタジアムを沸かせる機会はあったものの、思うようにゴールが奪えず。リーグ戦での今季初ゴールは5月14日の第13節・鳥栖戦だった。チームが今季初勝利を手にした、あの一戦だ。


試合後、大迫は今季初ゴールについてこう振り返っている。
「チームとしても個人としてもなかなか結果が出なかったので、苦しい時期が続いていました。この勝利をいいきっかけにして、選手全員の力でやり続けていくしかないと感じています」

ミックスゾーンでの表情に安堵の色はなく、険しい顔のまま囲み取材に応じていた。

とはいえ、ACLと天皇杯では劇的なゴールでチームを救ってきた。3月のACLプレーオフでは、メルボルンVに負ければアジア制覇の目標が消える緊張感の中で、80分の同点ゴールと87分の勝ち越しゴールを決め、チームに勢いをもたらした。


また、天皇杯2回戦では90+1分の劇的な決勝ゴールでJ3富山のジャイアントキリングを阻止している。ここ一番の勝負強さは、さすがというほかない。


ちなみに大迫がゴールを決めた試合は、直近の鹿島戦の引き分け以外は全て勝利している。いわゆる“不敗神話”は昨季から継続中だ。

神戸は現在15位。J2降格圏から脱出したとはいえ、まだJ1残留争いの渦中にいる。仮に“大迫が決める=負けない”という方程式が存在するなら、神戸の巻き返しにはエースのゴール量産が不可欠である。新加入のモンテネグロ代表FWステファン ムゴシャと共存するのか、あるいはタイムシェアするのかは不明だが、大迫への要求は日に日に高まると思われる。

そして神戸が浮上すれば、大迫のFIFAワールドカップ出場も自ずと道が開かれるに違いない。代表ウィーク明けの初戦となる今週末の柏戦。大迫の4戦連発=白星に期待したい。


Reported by 白井邦彦