Js LINK - Japan Sports LINK

Js LINKニュース

【取材ノート:神戸】“代表メンバー”発表前の最後のリーグ戦。大迫勇也のゴールに注目

2022年10月27日(木)
J1第27節の湘南戦を1-0で制したヴィッセル神戸は、22日に清水が引き分けたことでJ1残留が確定した。そして残り2試合は2位・川崎Fと首位・横浜FMが相手。思わぬカタチで“優勝争い”に加わることになった。

この2節がどういう結末を迎えるかも興味深いが、神戸担当としてはやはり大迫勇也がFIFAワールドカップカタール2022の日本代表メンバーに選ばれるかどうかが気になるところ。メンバー発表は11月1日。つまり、今節の川崎F戦が大迫にとって最後のアピールの場となる。3連覇に向けて本気で挑んでくる川崎Fを相手に、良いプレーを見せるだけではなく、しっかりと結果を残せるかに注目したい。

大迫はJ1リーグ24試合に出場し、チームトップの7ゴールを挙げている。ACLでの3ゴール、ルヴァンカップ準々決勝の1ゴール、天皇杯2回戦の2ゴールを合わせれば、公式戦13ゴール。数字的にも充分な結果を残しているが、日本代表のエースとしての期待値が高いためやや物足りなさを感じてしまうのも事実だ。それだけ特別な選手ということだろう。

特別な選手という点で彼の今季のゴールを振り返ると、実に劇的なものが多いことに気が付く。例えば、3月15日のACLプレーオフ・メルボルンV戦だ。負ければアジア制覇の夢が断たれる一発勝負で、神戸はアンドレス イニエスタのゴールで先制するも、そのすぐ後に追いつかれ、後半の71分に追加点を許して敗退のピンチを迎える。残り時間は15分足らず。重圧が押し寄せる中、大迫は80分に同点ゴール、87分に逆転ゴールを挙げてみせた。結局、90分に再び同点とされた神戸は延長戦の末にリンコンのゴールで勝利をつかむのだが、あの場面で大迫が立て続けに2ゴールを挙げていなければ負けていた。あの勝負強さには恐ろしささえ感じた。



他にもある。6月1日の天皇杯2回戦だ。J3富山を相手に、神戸は前半を2点ビハインドで折り返す。そして後半も富山の堅守に苦しみ得点が奪えない。刻々と時間が過ぎていく中、61分に途中出場した大迫が70分に1点を返し、89分に佐々木大樹のゴールで追いついた後、90+1分に大迫が逆転ゴールを決めた。大迫がいなければ、富山にジャイアントキリングを演じられるところだった。


極めつけは9月18日のJ1第30節のG大阪戦の2ゴールだ。J1残留の行方を大きく左右する大事な一戦。約1ヶ月ぶりにベンチ入りした大迫は後半からピッチに立った。試合は55分に先制したG大阪が神戸の猛攻をしのぐ展開。80分を過ぎてもゴールを奪えない神戸は敗戦の色を濃くしていた。だが、83分に武藤嘉紀が得たPKチャンスを大迫が冷静に沈め、90+3分には武藤のパスを受けた大迫がゴールネットを揺らして土壇場で逆転に成功。試合はそのまま終了し、J1残留に向けて大きな白星を得ることになった。



その試合後、現役時代にストライカーとしてならした吉田孝行監督は、大迫のすごさをこう評した。

「やはり存在は半端ないですね。PKも勇気がいりますし、アディショナルタイムであれだけ正確なシュートを決められるのは本当にすばらしい。本当に頼もしいエースだなと思います」

“ワールドカップメンバー”発表前の最後の公式戦で、大迫はどんなサプライズゴールを見せてくれるだろうか。ド派手な一発に期待したい。

Reported by 白井邦彦