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【取材ノート:大宮】新境地なるか。大澤朋也、サイドハーフとしての挑戦

2023年2月9日(木)


沖縄でのキャンプを終え、間もなく明治安田生命J2リーグが開幕する。おぼろげに浮かび上がる新チームの様相に思いを馳せるのは、この時期の大きな楽しみの一つだと思う。

即戦力級の大型補強が何人もあったわけではない大宮アルディージャではあるが、それでもどのような配置になるのかは興味深い。殊に、昨シーズンの主力だった矢島慎也がレノファ山口FCに移籍したサイドハーフは、メンバー選考が読みにくいポジションといっていいだろう。昨シーズンの実績から見れば筆頭候補となる柴山昌也に、シーズン終盤で台頭した山崎倫。泉澤仁も控えている。ここに、東洋大からのルーキー高柳郁弥と、大宮にとって2年ぶりの外国籍選手となるアンジェロッティが加わった。アカデミーから昇格した阿部来誠も黙ってはいないだろう。そうした混沌に割って入ろうとしているのが、愛媛FCへの期限付き移籍から復帰した大澤朋也である。



沖縄キャンプの水戸ホーリーホックとの練習試合では、左サイドハーフでプレー。守備時は相手に厳しくプレスをかけながら、攻撃面ではサイドの起点として奮闘した。

「アグレッシブに前から、というサッカーなので、守備のスイッチだったり連続した動き、ハードワークを意識しながらできたと思います」

そう振り返った大澤だが、大宮アカデミー時代から生粋のストライカー。同じ攻撃者ではありながら、常にゴール前に位置取り、味方のお膳立てをしっかりと得点に結び付ける役割とは大きく異なるポジションである。自分自身で模索しながら、手探りでサイドハーフ像を作り上げようとしている。

「こういうサッカーは自分の中では初めてです。どういうプレーが一番チームに合っているのか、自分の中で整理しながらやっていくのが大事だと思います。サイドハーフ自体あまりやってこなかったので、日々学びながら、いろんな先輩から話を聞きながらやっていて、自分の中では少しずつですけど手応えがあるので楽しみですね」



本格的にサイドハーフへ転身となれば、奇しくもアカデミー時代からの同期である柴山とポジションを争うことにもなる。水戸戦では流れの中から最前線に入ってゴールを狙う場面もあったが、ポジション争いに勝ち残っていくためには、そうした“大澤ならでは”というところを数多く見せていく必要がある。

「もっとできるんじゃないかというのはあるので、満足はしてないです。自分のオリジナリティを出しながら、周りと連動しながらできたらな、と思います」

勝負の年、とも言われるプロ3年目。サイドハーフで新境地を切り開くことができるか、楽しみである。

Reported by 土地将靖