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【取材ノート:大宮】苦悩する背番号7。小島幹敏、FWとして奮闘する

2023年4月27日(木)


おそらく、ベンチは騒然としたのではないか。この試合のことだけでなく、この後どうなるのか。誰もがそう思ったに違いない。

明治安田生命J2リーグ第7節、東京ヴェルディ対大宮アルディージャ戦。それまで3試合連続得点中だったアンジェロッティが、クラブのアナウンスなくメンバー外となり、富山貴光と中野誠也の2トップで臨んだ大宮。しかし試合開始からまだ間もない16分過ぎ、中野が左太もも裏をさすりながら座り込んでしまう。結局中野はここで交代することとなった。

後日、アンジェロッティが右大腿前面肉離れ、中野は左ハムストリングの肉離れと発表された。大澤朋也も開幕から2試合を経て負傷が発表されていた。矢島輝一と山崎倫は開幕からずっとメンバー外が続いている。そして、この東京V戦の直前には河田篤秀がサガン鳥栖へ移籍した。この時点で、稼働できるFWは富山とルーキー室井彗佑の2名のみとなってしまったのだ。

大宮が採用する4-4-2の布陣で、FW2人は構成上ギリギリの人数。そこで、続く第8節モンテディオ山形戦で白羽の矢が立ったのは、小島幹敏だった。



確かにキープ力はある。ボールを収めた後の散らしは本職だ。試合中の走行距離は常にチームでトップクラス。だが、終始最前線に居続けるストライカーのイメージは、アカデミー時代を通じても思い浮かばなかった。

相馬直樹監督は、「ニアゾーンに抜けるランニングができる選手。ボランチをやっていてもそこへ出ていってくれる」と推進力を評価し、「彼の持っているインテリジェンスに期待した」と、山形戦後に起用の理由を明かした。純然たる2トップというよりは、攻撃時にはやや下がり目の1.5列目、という役回り。泉澤仁の横パスを受けて突破に掛かり、山形守備陣のファールを誘発した場面は、小島の良さが発揮されたと言っていいだろう。

「ペナルティエリアに入る機会が増えるじゃないですか。得点チャンスが増えるんで、入りたいと思いますよね。クロスにもなるべく入っていこうと思っていて、もっとヘディングも練習します」

だが、その後はなかなかうまくいかない。チームとしての結果も、第9節ザスパクサツ群馬戦から第11節清水エスパルス戦まで3連敗。強かったホームでも、現在2連敗中である。慣れないポジションで、小島の苦悩も続く。



「強度が違うからきついです。動き続けるという意味ではボランチもそうなんですけど、出る、止まるの動作が多いのは全然違う。山形戦では久しぶりにふくらはぎを攣りました」

相手DFを背負ってパスを受ける、FWとしてはよくあるプレーも「マジで慣れないです。どうすればいいかわからない」と苦笑する。

「相手ボランチの間とかで嫌がることをして、かつ、バイタルのところで前を向いて仕事ができたらいいなと思ってます」

小島なりのFW像を模索している。

アンジェロッティの復帰も近そうで、もうFWでプレーすることはなくなるかもしれないが、それでも、「使ってくれるということは、何かを期待してくれてるから。応えられるように頑張りたいです」と意気込む。

背番号7の苦悩が報われることを、期待せずにはいられない。


Reported by 土地将靖